第108話 紅楼夢(曹雪芹作)

書かせていただきます。


【簡単な作品紹介】

中国四大名著の一つ。

清朝の時代に書かれた大ヒット恋愛小説であり、文学革命が始まった時、王国維が紅楼夢を国民的文学として推すほどの影響力を持っていた名作。


【数行で読める、あらすじ】

さる貴族の末裔である賈家を舞台に、不思議な玉を口に含んで生まれた賈宝玉と、彼をとりまく十二人のヒロイン「金陵十二釵」を中心に、一族の主から使用人まであらゆる人々の悲恋を描く。


【作品の特徴】

恋愛小説として紹介されることの多い本作だが、実際は様々なジャンルを内包している。

物語の背景には幻想的な設定が盛り込まれファンタジー小説の一面もあり、当時の封建時代の精神を批判しているので社会小説的な一面もあり、大家庭の人々の確執が上から下に至るまで細かく描かれているので家庭小説としても読める。


肝心の恋愛小説としても、主人公の賈宝玉とヒロイン林黛玉の叶わぬ恋が濃密に描かれていて、多くの中国人読者を魅了した。筆者も好きな作品である。


ただし、紅楼夢は中国古典小説でもかなり読みにくい作品だったりする。


特に設定説明に費やされる序盤のとっつきにくさは語り草になっている。


とはいえ、その設定説明さえ乗り切って本編まで読み進めれば、面白くてハマることは間違いない。


興味を持った人は、序盤の第一回と第二回を飛ばして、主人公が登場する第三回から読み始めても良いかもしれない。



【作品の見どころ】

キャラクターがかなり個性的。

勉強嫌いで女の子と遊ぶのが大好きな賈宝玉、愛嬌があって仕事をさぼる晴雯、良家の令嬢なのに生まれや育ちのせいで気弱な賈迎春などなど。


多彩でありながらリアリティのある登場人物達が織りなす悲喜劇が見どころ。


本作はファンタジー的な設定を使いつつも、かなり現実的な描写をしていて、現代読者が読んでも十分に通用する面白さがある。



あと、個人的に面白かったのは、本編の前に作者が書いた序文。

要約すると「この作品はどーしようもなく暇な時軽く読むためのものだから、内容はあんまし本気にするなよ、な?」という感じのことが書かれていて、笑える。


なんでこんな序文が書かれたかと言うと、当時の社会的な倫理観が関係している。


紅楼夢は、当時の封建社会ではご法度の自由恋愛や女性賛美を訴えている。


なので、真面目な文人達が「この小説はけしからん!」と怒ることが予想されるので、予防線をはったということだろう。


当時の作者の苦労が透けて見えて、とても面白い。



ぜひご一読を。



【終わりに】

今日の解説は、こんなところかな。異論や反論や要望があれば、感想に書いてね。加筆修正しますよ。


ちなみに、記事の内容や、取り上げる作品は、私の独断と偏見が強いので、あしからず。


それじゃ、今回はこんなところで、さよなら、さよなら、さよなら。


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