【10】教団開発部兵器研究室職員の独白
今日も駆除事業部から銃弾の追加要請がやかましい。製造できる量には限りがあると何度も周知しているハズなのに。言えば出てくるとでも思ってるのか?
毎日こうして、罪深き女神の搾血を行っているが、一日に回収できる量などたかが知れている。多く抜いてしまえばしばらく使い物にならなくなるからな。
青い血なんてカブトガニでもあるまいに、まったくもって汚らわしい。だがこれこそ、人類が異界獣を傷つけることの出来る唯一の武器。かつて異世界人に騙されて人類を滅亡の危機に陥れようとしたこの女の贖罪が、血液の提供なのだ。
この血液を銃弾や様々な武器に加工して提供するのが、我々開発部の仕事。とはいえ、同じものばかり作るのも飽きたので、別の部署でも創設してもらいたい。まあ、仕事を押し付けて早く帰宅したいというのが本音だが。
十数年前に生まれた奴の息子も、我々の実験動物としてよく働いてくれている。罪人なのだから当然だ。このまま戦闘で使い潰して、動けなくなったら搾血役にしてしまえばいい。――親子水入らずでな。
そういえば、近接武器開発班が奴に何か作っていたが、なかなかに気色の悪いブツだったな。――バケモノにはお似合いだ。
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