超一流の計画その2

 俺は彼女、皐月さつきゆいさんを見つめる。そして聞きやすい、強い口調で俺の天才としか言えない計画を伝える。


「計画は簡単よ! まずは首都まで行くんだ。そして、天皇宮殿を爆発するんだ!」

呉羽くれはくん………それのどこが天才なの」

「え? すべてに決まってる!」


 俺の元気な言葉に飽きた口調で返す彼女は一息をつきながら、座っていた椅子から腰を上げる。

 そういえば、言い忘れたな、ここは皐月さんの拠点。森林の中にある非常にちっちゃい小屋。壁、床、屋根、ビルは全体的に木製で作られていた。一つのベッドと部屋の真ん中になぜか木の幹がテーブルのかわりに設けてある。


「これ、食べる?」


 彼女は”カップラーメン”を差し出す。俺は差し出されたパッケージに視線をおとしながら。


「これ何?」

「は? カップラーメン? まさか知らないのか?!」

「知らないよ、俺の里には都会からのものはなかったよ!」

「なっ?! とにかく美味しいから食べてみ!」


 彼女の信じられないと言わんばかりの視線に耐えながら。俺はカップラーメンを手に取る。警戒しながら蓋を開けてみる。

 

「え?これは硬くない? 食べられるかこれ?」

「ね、ね、呉羽くんはさ、いくら教育を受けていないとね、パッケージぐらいは読めるだろう?」

「ん?……………あ、湯を入れって」


 彼女はいつの間にか焜炉でお湯を沸かしていた。湯沸かし器を手渡し、俺は不自然な身構えで湯沸かしを使って、カップラーメンの中へ湯を流す。そしてまた蓋を閉じる。


「ね? 私も計画があるかも」

「そうなの ? 宮殿を爆破するよりいい計画はないけどねー!」

「ここは国境と近いですよ。国境といえばフィーニスという街がある。」

「フィーニスか…」


 フィーニスは有名な都市だ。さすが、田舎育ちの俺でも知っているくらい。フィーニスは昔、タウルス帝国がルプス大王国の黄金時代と呼ばれる時代に作られた都市の一つ。作られた理由としては簡単に、王国との国交成立が目的とされる。しかし、ルプス大王国の高級民族の仮説はそれと異なり、フィーニスは技術泥棒を目的とする建ってられた都市だ。


「そこに知り合いがいるから、その知り合いに会ってから次のことを決めたい。」

「なるほど?その知り合いとは?」


 俺の質物に彼女はちょっと顔を青ざめる。だが、それはちょっとの間で、すぐに普段の明るい色に戻る。


「旧国議会の九頭竜くずりゅう候が住む街よ」


 俺はちょっとなぜか違和感を覚えながら、彼女の”計画”に乗ってみることにした。





 ここまで読んでくださった方に心から感謝!よかったら、評価と感想、コメントなど、よろしくお願いします!一人でも俺の作品で楽しいな気分になれば俺は嬉しいです!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る