第4話 昭和の鉄道② 客車

 JRがまだ国鉄だった昭和には、機関車に牽引される客車列車が、各線に走っていたんだ。


 2人がけのベンチ席が向かい合いの、ボックスシートが連なる客室と、車両の両端に乗降デッキがある造りになっていた。


 旅行客用に、客席窓下にはミニテーブル、さらにその下には栓抜きと灰皿が付いていた。

 客車の旅は旅情たっぷりだったぜ。


 乗降ドアは手動だったから、開きっぱなしの車両も多かった。


 余談だが、歌手を夢見た女が、恋人の制止を振り切って動き始めた列車に飛び乗り、3年後にスターになった時には故郷の恋人が傷心の末死亡したという話もあるのさ。


 昭和の客車列車はドラマの舞台だぜ。


 

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