第3話

雪達の目の前に3つの門が見えてきた

(いつ見ても凄いなぁ)

真ん中の門は大きく女性の警備員が四、五人立っていて

女生徒の持ち物検査や身体検査等をしていて

門の上部には[桜花おうか高校]と書かれていて

左右は普通の門で

左側の門には[桜花学園高等部・普通科]

右側の門には[桜花学園高等部・護衛科]と書かれている

高校と高等部の違いは

高等部は女子生徒のみで

高校は共学

そう男子生徒がいるのだ

もちろん、入るには難しい試験があり

学力・お金は勿論だが

一番大切なのは

男性に対しての免疫があるということ

免疫がない女子が男子と出会うということは

猛獣の前にエサを置くのと同意義だから

免疫がなければ

学力・お金があっても決してはいれない

それが高校

因みに

桜花学園は初等部から高等部からの一貫で

高校へ行けるように男性への免疫を付ける授業もある


私達は護衛科の方の門を通ると

女生徒達がガラスの壁に群がっていた

桜花高校と区切る壁がガラスの壁で

なぜそれに群がっているかというと男子生徒が通るからである

勿論男子生徒側からは

こちらを見れないように特殊な加工をされたマジックミラーになっている

普通科の方も同じようになっている

因みに

桜花高校・学園設立当初は女生徒も一緒に歩いていたが

それを見た学園の生徒達が

私達は同じ空気も吸えないのになんであいつら同じ空気を吸えて

一緒に登校できるんだ?という訳もわからない憎しみから

高校の女生徒と戦争を起こす1歩手前で

そのことに気が付いた高校側が男子生徒のみが使えるようにして

女生徒は地下の通路から学校へと入ることになったのだ

見るのにも順番があり

一番前にいるのは三年

その後ろで人と人の隙間から見ているのは二年

そのまた後ろでジャンプをしながら必死に見ようとしているのは一年

という感じになっている

男子生徒が通る度にキャーキャーと言う黄色声援が激しく響いている

ガラスは遮音・防弾使用となっているため

男子生徒には聞こえない

防弾はたまに興奮した女生徒がガラスを叩くためである

ガラスを叩くだけならかわいいが興奮の度を越した女生徒は

丁度出たみたいだ

1人の生徒が弧を描くようにして

ガラス壁と反対の方へと投げ出されていき

そのまま着地すると

金属で出来た壁を轟音と共に殴り終えると

何事もなかったように

元の場所へと戻っていった

殴られた壁には握り拳の形に凹んでいた

(いつ見ても凄いなぁ)

度を越した生徒をそのままにしているとああいうことになるため

ガラス壁を壊させないように周りの生徒が反対側へと投げ

投げられた生徒は壁を殴り発散するということになっている

因みに

金属の壁は厚さ30cm位で形状記憶合金でできているため

時間と共にゆっくりと元の壁へと戻っていく

その様子を見ていた蜜那は

「あぁならないためにも、今日の試験がんばろうね、鈴」

「そうだね、蜜那ちゃん」

私達は教室へと向かう

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