第41話
ルナリアンルームから出て、月面上に立ち、リーは思い出している。
ルーと共にピクニックに出た時の事だ。
同じ様に小さな山があり、その横っ腹に洞穴を見た。
あそこにも、このルナリアン・ルームと同じものが有ったのだろうか?
月面上で横方向に穴が開く事は稀ではあるが、絶対に存在しないと言い切れるものではない。
しかし、同じ構造のルームがあそこにも存在していたとするならば・・・。
月は建設の為の調査はするが、そこに眠る古代生物を調査する場所では無くなっていたと思っていた。
しかし、そうではなかったのだ。
未だに地球では古代に住んでいた先祖や、それよりも前の恐竜達を調査しているではないか。
過去に何が起こったのか、その疑問は解決された訳ではないのだ。
そう思うとリーは、もう一度、地下で今も動き続けている超素粒子変換装置の外観だけでも見たくなってきた。
リーは洞穴の入り口を振り返り、ルナリアン・ルームへと進んで行く。
すると、一人の調査員がリーに駆け寄って来る。
「リー博士、配線が見つかりました」
「どういう事だい?」
「はい、ルームの地下を探っていると、配線はコンピューターに繋がっているどころか超素粒子変換装置にも繋がっていました」
「分かった、行こう」
リーと調査員がルームの奥に入り、配線を見ていたが、リーが簡単に言う、
「なるほど、あのコンピューターはこの超素粒子変換装置を管理する為の存在だったのかもしれないな」
「それにしては大掛かりなコンピューターでしたね」
「うん、そこまでして管理しなければならなかった理由があるかもしれないし、全く別の機能と掛け持ちで働いていたのかもしれない」
「それにしても、コンピューターが取り外された今でも超素粒子変換装置が働き続けるなんて・・・」
彼の横で立っている調査員が口籠るように言うと、リーは少し思案げな顔をして、
「いや、全くその通りだ」
リーは、また考え込み、
「コンピューター解析チームの結果を早く知りたいものだ」
と言った。
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