第51話

「どうした、宋徳治」

アジタが宋徳治を抱き起こした。

「やられた」

「誰に」

「クルミだ」

「まさか」

アジタが驚愕した。

「クルミにそんな力があるわけが」

「しかし、あれは間違いなく

クルミだ」

宋徳治の口からは血が流れだしている。

「クルミは、クルミはどこに行ったんだ」

「消えた。まるで透明人間

みたいだった」

「あら、どうしたの」

その時、クルミが顔を見せた。

「どうしたの、二人とも、スゴイ

形相よ」

「オマエ、ひょっとして

スゴイ戦闘能力持ってるんじゃ」

アジタがそうたずねると、

「イヤーね。わたしはかよわい

乙女です」

と、クルミが舌を出した。

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