第22話 姉ちゃんの目付きが…

 那月さんを彼女にする件は…、とりあえず保留にした。家が数件隣で気軽に会えるから、後回しで良いはずだ。


もし遠距離恋愛していたら、話は別だけど。すぐ会えなくてどうなるかわからない時は、なるべく早く印象に残る告白をするべきだと思うが…。



 那月さんが頑張ってレポートをやってる間、俺は家でゲームばかりしている。1人でスポーツクラブに行ってもつまらないからな。姉ちゃんも通い始めたから一緒に行くのもアリかもしれないが、問題がある。


それは、姉ちゃんの目付きが嫌らしいことだ。家の中ですれ違ってかつ2人きりの時、姉ちゃんはいつも俺の股間をチラ見する。


チラ見だから特に気にならないが、少しでも膨らんだ状態だと明らかに目付きが変わるんだよな。本人に自覚があるかは知らないが…。


別に姉ちゃんに変な気持ちを抱いた訳じゃなく、単に昼寝後だったからだ。朝じゃなくても、立つものは立つんだよ。


姉ちゃんがこうなってるのは、那月さんが俺に構う余裕がない今の状況のせいだ。彼女が自由になれば、この視線から解放される。


早くレポート終わって~、那月さ~ん!!



 那月さんがレポートに取り組み始めて3日目。この間、俺は1回もしなかった。ニオイで姉ちゃんにバレそうな気がしたからだ。


その日の夕方。学校から下校してラフな格好に着替えた後、携帯の着信音が鳴る。

すぐ確認すると、那月さんからだ。彼女から連絡するって事は…。


『やっとレポート終わったよ~。今すぐ涼君の部屋に行くからね♡』


今から? もしかしなくても、那月さんもたまってる感じか。夕食ができるまでなら相手できるな。


『ピンポーン』


……呼鈴の音がして間もなく、玄関の戸が開く。本当にすぐ来たぞ。


彼女と交流を復活させてから、母さんがこういう風にしても良いと言ったのだ。「昔のような関係に戻った」と母さんは喜んでいたが、それ以上になっているな…。


さて、那月さんを迎えに玄関に行こう。待っててもここに直接来るだろうが、早く彼女の顔を3日ぶりに見たいからな。



 「涼華。涼君はどうだった?」


「そうね…」


自分の部屋を出て玄関に向かう間、那月さんと姉ちゃんの話し声が聴こえた。姉ちゃんにも連絡したのか、たまたま玄関付近にいたかはわからないが…。


「思ったよりわね。気になったのは…、3回かな」


ようやく俺も玄関に着く。


「姉ちゃん数えてたのかよ!?」


「まぁね。この間のアレが、頭から離れなくて…」


貸し切り温泉でった時だな。(18話参照)


「涼君。あたし何度も言ったよね? 『涼華はスケベ』だって」


「悔しいけど、その言葉を否定できないわ…」


姉ちゃんが自分を“スケベ”だと認めただと? 信じられない。


「おしゃべりも良いけど、あたし我慢の限界なの♡ たくさん相手してね涼君♡」


「俺もなので相手しますよ」


「あれ? あたしがいない間、1回も抜いてないの?」


「まぁ…」

抜いた後の姉ちゃんの行動が気になるんだよ。チラ見して様子を窺う。


「私は部屋に戻るからごゆっくり」


…言葉通り、姉ちゃんは部屋のほうに向かって行く。なんか気になるけど別に良いか。


「ここは涼君の家だから、涼君がリードして♡」


「わかりました」


那月さんを部屋まで案内した後、思う存分発散した。

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