【保護】グラトニウスドラゴン 経過

 先日保護したグラトニウスドラゴンの経過をお知らせします。


 噛痕のあった尻尾ですが、やはり自分で食べてしまっていたようです。

 タンパク質をメインとした食事と抗生物質、カロリー補助ドリンクを1日6回与え、調整しつつ一週間観察しました。

 結果、筋肉の再生を確認。かなり時間はかかると思われますが、この調子で治療を続けたいと思います。


 最近ようやくこの環境にも慣れてきたのか、声をかけると「うー」と返事をしてくれるようになりました。

 人懐っこい性格で、職員からも「カロちゃん」の愛称で可愛がられています。


[ブログ用_カロちゃん_食事中.jpg]


 グラトニウスドラゴンは野生の個体は少ないと以前の記事で書きましたが、飼育されている個体は少なくありません。

 成体の美しさに魅せられ、飼育を試みる人は一定数います。


[ブログ用_gd_成体鱗.jpg]

[ブログ用_gd_成体角.jpg]

[ブログ用_gd_成体顔.jpg]


 しかし一方で、飼育放棄され、捨てられたり、餓死したりするケースが多発しています。

 やはり幼体期に必要な餌の量が問題のようです。

 カロちゃんも、飼育放棄の果てに捨てられたようです。(テーブルマナーを覚えているなど、人間と暮らしていた形跡がみられました)


 グラトニウスドラゴンを飼育したいと考えている方へ。

 グラトニウスドラゴンの食事量をまかなえるほど、経済的に余裕はあるでしょうか。

 彼らは与えられた食料の質と量によって、成体の美しさの質も変化します。

 より美しいグラトニウスドラゴンを目指すのなら、目安として年収2000万円は必要となるでしょう。

 それでもあなたは、責任をもって育てることができますか?


 グラトニウスドラゴンに限らず、育成条件の難しい亞人はたくさん存在します。

 生き物と暮らす、ということを今一度考えてみてください。

 飼わないという選択もまた、彼らを救うことに繋がります。


 人間と生物の関係は難しい問題です。

 それでも、より多くの亞人が幸せに暮らせるよう研究を進めるのが、私たちの仕事です。

 このブログを通して、それを伝えられたら嬉しいです。


(亞研・ゆきしろ)

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