第42話 大変です…

 午後最初のお客さんは、とりあえず問題なくアクティビティ終わった。次のお客さんは…数名なら問題ない。みさきさん乗せるか。


【みさきさん、乗れますよ】


【さっき、姉ちゃんって呼んでくれたのに…】


【お客さん、いるから、姉ちゃん後ろに乗せるのおかしいだろ】


【し、しどい…はると…姉ちゃんを乗せるの恥ずかしいんだ】


【そんなこと言ってないだろ、みさきさんこれ着て!!装着出来る?ライフジャケット着ないと乗れないよ。サイズは?どうかな?】


お客さんが、


【出来ませーん、教えてくださーい】


【今行きまーす】


とりあえずこれで、全員着用出来たね。


【お兄さん〜私も着れませーん】


 みさきさん、何甘えてんだよ…もう。それに、しどいって、るいさんも言ってたな。流行ってるの?へんな言葉だね。



………………出発、目的地:無人島………………



【すみませーん、マリンジェット、お兄さんの後ろに乗るプランあるんですか?知らなくて…それ免許持ってない人だけですか?私、ペーパーなので不安なんですが…】 


そうなるよな、暫く操縦してないとね。


【事前予約いただければ、今回は免許お持ちならゆっくり行くので大丈夫だと思います】


【解りました。今度、免許ない友達も誘おっーと】


 みさきさん、落っこちないようにね。間違って姉ちゃんって言ってしまわないようにしないと。


海風が気持ちいいな。快晴で暖かい。


【はると、今日の日差し夏みたいだね】


【うん、みさきさん、これ乗りたかったの?】


【はるとと乗りたかったの!!!】


【みんなの手前、着いたら弟って言わないでよ】


【そうなの…何か気まずいの?】


【変じゃん、姉弟が二人で乗るってのは】


【何か気にし過ぎだと思うけど。はるとはもっと素敵なお姉さんが良かった?ごめんね…】


【違う!違う!そんなことない。じゅうぶん素敵だよ。最初に会って綺麗な女性ってのが第一印象だったからさ。…これ、ユキに言わないでよ】


【嬉しい!!そんなふうに思ってくれてたの!!】


ギューーーーーー、く、苦しいって!!!


【みさきさん、そんなにしがみつかなくても…】


【あっ、ごめん。もちろんユキには言わないよ】


 ふー、なんか、みさきさんの生い立ちであるんだろうな。養子に来る訳だし、こんなふうに無邪気な姉も悪くない。もちろん見た目もなかなかだから。


【はると、ユキは乗せないの?】


【乗せたいよ。でもさ、忙しいじゃん。こうしてる間も買い出し行ってるよ。定休日でも休めてない。バイト数人程度必要かも】


【どこも似たようなもんだね。研究所のほうも大変。増員しても所長復活しても。経験者ほしいみたいだけど、そうそういないからね】


【それで、さきさんブチキレたんだ】


【さきは、ホテル経験もしてるじゃん。そっちも人手が足りずに、はるとを早めに呼ぼうかなんて言ってたよ。アクティビティ忙しいから無理かもって伝えてあるけど】


【みさきさん、ナイス!!俺、こっちのほうが合ってると思う。断ろうかと思っていたから】


【はると、生き生きしてて、かっこいいもんね】


【そ、そう…照れるけど、嬉しいな】



………………………中間地点………………………



※【あのさ、もっと早く行かない?遅すぎない?】※


【すみません、安全のためこの速度でお願いします。こちらにアクティビティの規定なので】


※【わかったよ…着いたら自由行動でしょ?】※


【そうです。浮標確認してくれれば。自己責任になりますけど。とりあえず保険も加入してもらってるので】


※【お兄さん、あれ何?】※


【イルカですね。近づいてくる可能性ありますので気をつけて。近づいてきたら停止してください】


※【イルカ🐬可愛い!!あっ来たよ】※


【こちらに反応してるかも。さらに近くにくるかも知れません。一旦停止してください】


※【はい、止まります】※


【先に先行するお客さんを島に案内するので、そこで停止していてください。すぐ戻ります。必ず二名以上でいてください。単独行動はしないでくださいね】


※【はーい、🐬二匹目だ。見て見て!!】※


聞いてるのかな?島から見えるし、大丈夫だろう。



………………………無人島………………………



※【ここに来たら自由行動ですよね?】※


【もちろんです。楽しんでください。先ほどのお客さんを見ていますので】


※【うさぎ🐇来たよ。可愛い!!】※


※【ジェットでもう少し先まで行こうぜ】※


とりあえず、戻るか。🐬に夢中かな?


【はると、大変そうだね】


【慣れっこだよ。みさきさん、少し待ってて】


【うん。🐇見てるね】


早く戻ろう。大丈夫かな?


ジェットから降りちゃってるじゃん…何で?


※【お兄さん〜良かった〜落っこちて乗れなくてどつしようかと思っていたの】※


※【私が引き上げようとしたけど、反動で私も落っこちて】※


【はい、順番に引き上げますよ〜せーの。大丈夫ですね、次のお客さん、せーの。はい、大丈夫】


※【ありがとうございます😊】※

※【慣れてるインストラクターだと安心するね】※


インストラクターって…照れるね。


【じゃ、無人島に。すぐそこですので】


これで、全員だね。


【みなさん、ここにソフトドリンクの入ったクーラーボックスありますのでご自由にどうぞ】


※【はーい、もらいます】※


とりあえず、一休み。あれ、みさきさんは?


どこ行ったたんだ?






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る