第4話イライラは募り…
〜デイル視点〜
「くそっ!お前等は何をしているんだ!」
レインローズ城の王の間に怒号が響く。
「同盟国からも支援の兵はいつまでも送られて来ないし、無能な兵共はどんどん数だけ減りやがって!」
「お、御言葉ですが…あの様な兵器等…」
「そんなのどうでもいいんだよっ!王の俺に意見するつもりかっ!それはただの火炎瓶だろ?燃えたら燃えたで敵の一人でも巻き込んでから死ねよ!」
「「「「「………」」」」」
「ほ、報告致します!」
「今度は何だっ!?」
「我が軍と敵軍が城下町にて交戦。突破されれば…」
「―くそっ!」
マズイマズイマズイ…。敵が強いうえに数が多すぎやがる。あの男がこの城に居ればこんな事にはならなかったのに!兵を突撃させて…この城を捨て一度退くべきか?
「ぎゃっ―」
「がぁ―」
「ぐあっ―」
今度は何だっ!?
「て、敵襲ーっ!!!」
「「「デイル様を護れぇぇー!」」」
「馬鹿な!?」
どこから現れた!?目の前で戦闘が始まった。敵の数はそんなに多くないのが見てとれる。
「くそっ!敵はそんなに多くないだろっ!お前等纏めてかかって行きやがれー!」
「私も出ます」
「当たり前だろうが!早く敵を仕留めてこい!」
「…はい」
元女王が剣を片手に敵へと駆け出し、敵を一瞬で2人葬り去る…。アイツ一人で勝てるんじゃないか?と、思った所で動きが止まる…。何をやってやがる!くそがぁー!!!
***
〜ミーニャ視点〜
リーン殿が考えた作戦は正面から同盟軍が攻め込む。それと同時に私達はある程度の戦力を引き連れティア殿下案内の元で王家に伝わる秘密の通路を抜け王城内へと攻め込む事。
間違いなく母は王城内に居るだろう…。
「ミーニャ、大丈夫?」
「勿論です、奥様」
「気負い過ぎたら…死ぬわよ、ミーニャ」
「死ぬつもりはありません…もしかすれば私の中にはエル様とのお子が宿っているかも知れませんので…」
「嫌味!?今のは私に対する嫌味よねっ!?私だってこの戦いが終われば!」
「奥様…人、それを死亡フラグと言うそうですよ?」
「エル残して死ぬ訳ないでしょう!?ミーニャ覚えてなさいよ?」
「…忘れました」
「くっ…」
「ん…2人共気を抜き過ぎ…」
「そうアル!」
「エル様が見ていたら呆れられますよ?」
「あ〜しもそう思うし…」
「そうそう…マリアはどさくさに紛れて何言ってるのかしら」
「そういえばテレサ迄混ざってたなんて聞いて無かったんだけど!?」
「ふっふっふっ…今日からマリアの事お義理母と、呼んであげるわね?」
「殺す!あなただけは必ず殺すからぁ〜!」
そして隠し通路を抜け城内へと辿り着き、敵を倒しながら王の間に私達は攻め込んだ。思ったよりも城内に残ってる敵は多かった。しかし私達の敵ではない…。いける…。そう思っていると陣形を組んでる兵の一角が崩れ…崩した者と視線が交差する…。
私は彼女へと駆け出し剣を交えた…
「お母様!どうして!」
「こんな所にいたのですね、ミーニャ」
「何故!何故っ、レインローズに攻め込まれたのです!」
「もう知っているのでしょう?私が既に…王の座を明け渡している事を!」
剣と剣がぶつかり金属音が響く…数度もしないうちにお互い剣は折れてしまうだろう。物語の話の様に剣は丈夫ではないのだ…。避けて斬るが理想。勿論予備を持ってはいるのだけれど…
「だからっ!どうしてっ!?」
「魅せられたからですよ…」
「!?」
「…彼に魅せられたからです…だから…この身を全て彼に捧げました…」
「…そう…なのですね…」
「年甲斐もなく…とか私を蔑まないのですか?」
「…そんな事言いません。その気持ちは痛い程分かりますから…」
「…あなたも…そう思える人が居るのですね」
「はい」
「さあ、最期です…」
「…はい」
お互いの間合いに入り、私の剣が早く相手を斬り裂き…同時に幸せにね―と声が聴こえた…
「役立たずのババアがぁぁーーー!」
***
あとがき
こちらの作品も是非一読をっ!
『恋愛ゲームのヒロインにガチ恋』
https://kakuyomu.jp/works/16817330664854254414
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます