(一)-2
拓弥は無言でそれに応えながら、床の上に落ちているバスタオルを掴み上げて濡れた体を拭いた。拓弥は鍛えているわけではないが、無駄のない痩身体型だった。
「今日はバイト? それとも学校?」
「どっちだっていいだろ」
拓弥はテレビ台の隣のプラスチック製のチェストの上から二段目からグレーのボクサーブリーフを取り出して足を通しながら返事した。
「私は夜勤に備えてまたしばらく寝るわね」
実奈美はそう言ってベッドから半分ずり落ちた掛け布団を掴み上げて自分の体の上に掛けた。
拓弥は実奈美にジッと見つめられながらシャツを着て靴下を履き、ズボンに両足を通すと、無言で部屋を出た。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます