第4話
実はこの世界には精霊がいる。獣人や人間は精霊と契約して魔力を渡すことで魔法が使える。もちろん、私たちは契約しなくても使えるけどね。属性としては火、水、土、風が基本四属性。光と闇がいるけど、結構レア。この森は聖獣の棲家なだけあって魔力で満ちてるからレア属性も意外といるんだけどね。ごく稀に光や闇の精霊と契約している人もいるらしいよ。精霊の棲家はあまり決まってないみたいだけど、魔力が多ければどこでも良くて、水は水辺に多くて土は植物が多い場所後の属性は特にこだわりはないみたい。
なんでこんな話をしているかというと…
「あたらしいせいじゅうさまだー」
「ひめさま!」
「ふわふわー」
「まりょくちょうだーい」
今精霊に纏わりつかれているからです。なにやら私の魔力は美味しいみたい。なんか私転生特典積みすぎてない?私は村娘Aとかでよかったんですけど。神様ー?まあ今のままでも十分スローライフと呼べる気がするからいっか。社畜だったから働かなくていいってなんかやらなきゃいけない気がしてソワソワしちゃうけど、流石に一年たつと慣れる。聖獣は余程のことがない限りただ存在しているだけで世界を安定させられるからね。暇は暇だけど、今はこのダラダラを満喫しようと思う。ビバ・食っちゃ寝生活!
今日も今日とてお昼寝。ここは年中春だから、ポカポカ春の陽気で若草の上で寝転ぶとすぐに眠気がやってくる。
「ひめさま〜!」
微睡に身を委ねていると、真っ黒な精霊が近寄ってきた。このこは闇の精霊だな。
「どうしたの?」
「けもののこ、たおれてる!」
「けもののこ?獣人の子供ってこと?」
「それ!」
早く早く、と急かされて精霊についていく。森の中を歩き、元いた場所から離れたひらけた場所にその子は倒れていた。近寄って安全確認のために匂いを嗅ぐ。大丈夫そうだ。見た感じ狼獣人の男の子っぽい。黒髪は前世でよく見たろだから親近感が湧くな。切り傷はあるけど、死に至るような大怪我はなさそう。
「とりあえず回復魔法!」
一度怪我を癒してから、風魔法で浮かせて元いた場所まで運んだ。パパやお兄ちゃんみたいに大きなフェンリルだったら背中に乗せれたんだけどなぁ。
「パパー!子供拾った!」
「うん?魔力が尽きかけてるね…そこの泉にでも浸けておきなさい」
「わかった!」
泉の浅いところに少年を浸ける。魔力がいっぱい含まれてる泉だからきっとすぐ起きるよね!
眠気はどこかに行っちゃったし、暇!とパパに訴えると、どうやら昼食の時間だったようで、一緒に空間へと戻りママの手料理を食べた。今日は魚だったよ!味はサーモンみたいな感じだけど、サイズがすごくデカかった。前世のサーモンの何倍だろうっていうサイズ感だったけど、ママは狩りも上手だからママが契約している風と水の精霊の合わせ技の雷魔法でドカンと一発だった。別に食べる必要はないけど、パパも私もママのことが大好きだから一緒に食べるよ。味覚は普通にあるから味も楽しめるしね。あ、ママ!これ美味しい!
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