第2話 金色――こんじき

美味しいものと期待と不安で

お腹がいっぱい


涼しくなった 秋という季節は

毎日毎秒 過ごしやすく 生きやすく


幸せで

胸がいっぱいのはず

なのに


ふと 音のない風と共に

よぎる悲哀は銀の色


色づくイチョウが

秋という季節が


みちを 空を

すべてを

金色こんじきに染め上げていくのに


無色透明の涙が落ちるのは

世界がうつくしすぎるから

それとも

君を愛しすぎたから


秋は往く

すべてを金色こんじきに染め上げながら

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る