第19話
「本日、新たな武器を手に入れたので実践していこうと思う」
:ひろくんだ!
:ひろくーん! こんにちは!
:新たな武器だって!?
:あれ、シロくんいない
緑のエリアで廣谷は昨日買った銃をまる猫のカメラ部分に見せる。廣谷の近くにはシロはいなく、一人だけで緑のエリアに来ていた。
「シロはお留守番だ。この銃は火の弾を撃てるらしい。ということで緑のエリアで実践してみる。周りが燃えなければいいが」
:フラグう!
:緑のエリアでやるってやばくない???
:燃えそう
廣谷の説明にコメントが物凄い速さで流れ、音声からは絶え間なくコメントが流れる。
それを聞いて廣谷は絶対燃えるだろうな、何故緑のエリアでやろうとしてるのか。と少し後悔をした。
「まあ、なんとかなるだろ」
そう言ってから廣谷はダンジョン内を歩く。少し歩いていると擬態型のモンスターが現れる。廣谷はそれに銃口を合わせ弾を撃った。
――ジュッ!!
撃った途端モンスターが勢いよく燃え出す。廣谷はいつでも逃げ出せるように距離をとる。じっと火を見ていると周りに火が移ってない事に廣谷は気づく。
「火が移ってない……? どういう原理なんだ?」
:燃 え て る
:わ、わあ……
火は次第におさまっていき、火がなくなると丸焦げになったモンスターが姿を現した。モンスターだったものはすぐにその場に灰になり、小銭だけを落として消えてしまった。
廣谷は小銭を拾い、今回持ってきていた鞄に入れる。そして地面を見るとモンスターがいた場所だけが黒く焼けていた。
「……燃えないから安心して進めるな」
:これどこで手に入れたの?
「16階に行ったら分かる」
:教えてくれないのか
:16階かあ、頑張っていかないと
:その武器あると安定感ありそう~ゲットしたい……
廣谷は音声から流れるコメントをたまに無視しつつ14階までのモンスターを撃っては小銭を拾いを繰り返した。
そうして15階前の所で廣谷は立ち止まる。
「今日はここまで。では」
:もう終わっちゃうのかあ
:またね!
まる猫の配信機能が停止したのを確認した廣谷は疲れでため息を吐く。
「……ラッシュのラーメン食べに行くか……」
そう呟き9階まで上がっていく。モグラの部屋に入るとすでに倒されたようでボスが姿を現す事はなかった。
そのまま廣谷はラッシュの店がある道に進む。ラーメンの匂いが鼻についたの頃、ラッシュと目があった。
「お! 青年! また来てくれたのか!」
「食べたくなった。おすすめください」
「あいよ!」
ラッシュはてきぱきとラーメンを作り廣谷に出す。それを廣谷はゆっくりと味わいながら食べ始めた。
食べ終わってからラッシュが廣谷に声をかけた。
「そういえば、あんた今どこまで降りたんだ?」
「17階です」
「いいねえ! これからも頑張んな! 俺はいつでもここにいるからよ!」
「はい」
ラッシュに金を渡してから廣谷は能力を使って部屋まで戻った。
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