第4話

町の名は「サニータウン」こちらでも太陽はサニーと呼ぶらしく、太陽が放つ光は魔物を払う効力を持つため、魔物が寄り付いてこないようにという願いを込めて名付けられたらしい。


町の周囲は外からも見えた大きな石壁で囲まれており、定期的に門番のような武装した連中が、外からの外敵襲来がないか、また町の内部に怪しい連中がいないかを見回っていた。


テレスの話によると、どうやら一部の魔族は人間に擬態する能力を持つ者もいるようで、そういった輩が入ってこれないよう、町に入る正規ルートである正面ゲートと避難用の出入り口であるサブゲート3箇所全てに太陽と同様に魔物除けの効力がある太陽神御札が貼ってあるようだ。


この太陽神御札でほとんどの魔物はゲートをくぐれず、人間に擬態するものも強制的に魔物の姿が暴かれてしまうようだが、それでもこれ程までに厳重な警備を行っているというところにステラという世界で魔物がどれ程恐れられているかを表しているかのようだった。



「それじゃ哲郎さん!まずはその大変なことになっているおちんちんを治しに行きましょうか!流石に曲がったままじゃトイレも出来なくて大変ですもんね。」


「黙れクソガキ、町中でなんてこと言うんだ!馬鹿野郎が!」


こう言うことを当たり前のようにテレスは言ってくる。町の住民はチラチラこちらを見てくるしコイツには羞恥心というものが無いのだろうか...まぁトイレが出来ないというのはいろいろ差し迫った問題でもあるしコイツに連れてもらえないとろくに歩くことも出来ないため本当に惨めになってくる。



「ママーあれなに?」「見ちゃダメ!」

「あれが今回の勇者か?」「.....今回もダメそうだな...」


なんていう親子連れや若者のこんなやり取りを20回は聞いたという頃にやっと町の外れにある病院へとたどり着いた。


なんならメンタルの治療もしてほしいくらいだが、病院へ入ると事前に話は伝わっていたようで、看護婦さんらに急いでベッドに乗せられ治療室へと運び込まれた。


迅速な対応に感謝しかないが、治療室へと運び込まれる直前ふとテレスに目をやるとニヤニヤ笑いながらごゆっくり~♪と言っていたことだけが気にかかる....

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「地獄を見たぜ...本物の地獄をなぁ......!」


開口一番、俺はテレスに向けて言い放った。一応、病院とはいっても俺のいた現世とは勝手が違うしやっぱり魔法でもかけて上手いこといちもつをもとに戻すのかななどと思っていたが....甘かった.....



まず、治療室へと連れ込まれた俺だが、いきなり頭に?マークが浮かんだ。魔法を使う世界であるが故に、医療機器がないことは予想できていたが、医療機器の代わりにヌメヌメした肉の壁のようなものがあることは想像していなかった。


しかも、壁には大小様々な大きさの穴が高さもそれぞれに空いており、自分より先に治療室へと運び込まれた患者達は、患部を穴に突っ込みうねうねとした穴の動きに合わせて悲鳴をあげるという地獄のような光景が広がっていた。



当然のように看護師達は俺をベットから下ろすとヌメリ気のある穴へといちもつをぶちこむように言ってきた。


この生々しい穴にですか?この時々、ひくついている糸引いている穴の中にですか!?正気かよ!と指を差して必死に主張したが次の患者も控えているので早くしてくださいと言われ、折れたいちもつがぶつからないよう看護婦が手で大きく広げた穴にぶちこまされた。


ヌメリ気がありテカついている穴の中だが、いちもつを突っ込むと奥のほうはひんやりとしており割と不快感は感じなかった。しかししばらくするといちもつから股へかけてぞわぞわとするような感覚が広がり、見ると穴の内部はうねうねと動き回り、いちもつと穴の間からは、白い液体がながれ出ている事に気付いた。ぐちゅぐちゅという音が穴の内部からは響いていたが、テレスがかけた魔法の影響か陰茎の感覚が無くなっており中で何が起こっているかはよく分からなかったがぞわぞわとしたような感じで気持ち悪かった。だが、それもこの後訪れるイベントに比べれば大したことはない。


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一時間ほど穴に入れられた俺のいちもつだが、引き抜き許可が出たため、穴からゆっくりと引き抜くと白い糸が陰茎の穴から伸び、地面に垂れ、ビチャビチャと音を立てた。陰茎は通常時の2.5倍程度に膨れパンパンになった風船のようになっていたが、不思議と陰茎は真っ直ぐに戻っており、痛みは無かった。感覚のほうはある程度戻ってきており、後は膨らみさえ収まればといったところであったが、その後、マスクと手袋を付けたベテラン看護師のおばさま達数人によって陰茎は抑えられ手袋を付けた指で陰茎の穴を広げられ.....


その後のことは思い出したくない....



「でも良かったじゃないですか!ほら...おちんちん骨折なんてそちらの世界なら回復までだいぶ時間がかかるでしょうけどステラなら気持ち悪い感触と痛みさえ耐えれば短期間で完全復活です!しかも天才魔法少女の私がかけた麻酔魔法も効いていたので痛みも無かったでしょ?」



と、治療室から出て茫然自失としていた俺にテレスが励ますように声をかけてきた。


まぁ...確かにテレスに言われてみれば、治療が終わった後のいちもつはまだ完全復活とまではいかないものの折れた部分はすっかり元に戻り、骨折前とほとんど変わらない状態にまで治っていた。


しばらくは過度な運動を辞めるよう注意を受けたことや、自慰行為を控えるよう注意を受けたことはショックではあったが、骨折という状況から一日足らずで歩き回れるようになる程度まで回復させられるこの世界の医療技術には驚かされるものがあった。


「だが、あのうねうねはだいぶ気持ち悪かった....!あとおばさま達の搾り出しタイム!!乳を搾られる牛の気持ちがほんの少し分かった気がする!」


「いやぁ、それは仕方ないですよ。どこを怪我するかによって治療法も変わってくるんですけど、よりにもよって内部からがっつり折れてる系の怪我でしたからねぇ、でもおちんちんはまだマシですよ!穴があるからそこから取り込ませて治療できますし!....場合によってはですが、回復用の寄生型ワームスライムを口から飲み込んで治療出来次第排出させる場合もあるそうですよ...時々身体に寄生して取れなくなることもあるとか....」


「マジ...?ステラの医療やばぁ....」


「ま、とりあえず治療も一旦終わったことですし、今日はここらで一泊して明日またいろいろ紹介しますよ!今日は哲郎さんも疲れたでしょう?」


「だな...今日はいろいろ有りすぎた....それで泊まるって言うけど、お金とか持ってないけど俺泊まれるのかな?」


「勇者様なら無料で泊まらせてくれるはずですよ!今日は酷い姿を晒してしまったかもしれませんが勇者は一応は救世主ってことになってますしね....とりあえず、ここらで勇者様歓迎って書いてあった宿屋片っ端から連絡してみますね!」









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