第32話・魔法使い32日目


この前ね はじめて 

ふみの日って言う日を知ったの

大切な人へ気持ちを 紙に書いて

送る日のことを言うんだって


うふふっ だからねっ


皆で お手紙書いたんだよっ


いっぱいね 書いたんだ

うさぎさんやとらさん あーちゃんや 

お母さんにおばあちゃん 村の人たち

それに見えないけれど 眠るおじいちゃんたちへ

みんなに いっぱい いっぱい!


あとね 遠くはなれたところにいる お父さんへ


みっくんね 実はずっと 

お父さんに会ったことがないの

みっくんが もっと小さいときに 赤ちゃんのときに 

村より遠いところへ行っちゃったんだ


お母さんにね ずっと前に 

お父さんのこと聞いたことあるの

そのときにね

遠いところにいるけど いつか帰ってくるからって

信じて待っていてあげてねって

言われたから ずっと待ってる


信じて待ってるの でもね


時々ね ううん ほんとはいつも

会いたいなぁ みっくんのお父さん どんな人かな?

ほんとうに もどってきてくれる?

って 考えてることあるの 内緒だよ?

お母さんにいったら きっと困らせちゃうから


だから

そっと 夜 お休みする前に 

お空の お星さまやお月さま 眺めて思ってる


でも ふみの日だけは

お父さんへ いっぱい 気持ち伝えても大丈夫だよね?

だって 大切な人へ気持ちを書いて送る日だもの


ふみの日だけは とくべつ


最初ね 送ろうとしたとき

お母さんがね それを見て 驚いて泣きそうに笑ったの

みっくん 慌てて お手紙やめるっていったら

書きましょうって


だからいっしょうけんめい 書いたんだ


お父さんへ

みっくんです お元気にしてますか?

お風邪ひいてないですか?

ちゃんとごはん食べていますか?

みっくんは元気です

お母さんやとらさんにうさぎさんたち

みんなも元気です

お父さんがずっと元気でいますように

願ってます

でも 

いつかきっと

みっくんたちのもとへもどってきてね



気持ち 伝わるといいなぁ


※近況ノートに挿絵あり、URL先

https://kakuyomu.jp/users/aon8312a7/news/16818023212415822437


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