第16話 後日談
後日談としてだが後日、改めて謝罪に訪れた際に一連の出来事の真相を聞かされた俺は怒りを通り越して呆れ果てていた……というのも黒幕だった男は以前からソフィアさんに想いを寄せており何とかして手に入れようと画策していたらしいのだがなかなか上手くいかなかったそうだ……そこで今回の計画を立てたということだったがそもそも誘拐までする必要があるのかという話である。
結局、黒幕は無事に逮捕されて事件は解決したわけだが今後同じようなことがないとも限らないため対策を講じる必要があるだろうと考えた俺は信頼できる部下に相談することにした──「というわけで何かいい案はないかな?」俺が尋ねると彼は考え込んだ後で言った──「そうですね……いっそのこと既成事実を作ってしまうというのはどうでしょうか?」その言葉に俺は首を傾げたが詳しく聞いてみると要するに既成事実を作ってしまえばソフィアさんも離れられなくなるのではないかという話だった……。実は済んでるんだよね。
その意見を聞いて納得がいった俺だったがすぐに問題点に気づいてしまったため頭を抱えてしまった──何しろ相手は王族なのだ……、却下することにしたのだがそれでも諦めきれない様子の俺に対してふとあることを思いついた部下はニヤリと笑うと俺に提案した──「それならこういうのはどうだ?彼女は今、城での生活に退屈していそうだからな……そこでお前が護衛という名目で城に潜入し、ソフィアさんに気に入られて恋人になってしまえば彼女も離れないんじゃないか?といい風に話しをしておけばと、そう提案すると俺は大きく頷いたので早速準備に取り掛かったのだった。
数日後、城へとやって来た俺はソフィアさんの部屋へと向かった後で扉をノックすると中から声が聞こえてきたため中に入っていった──「失礼します……」そう言って中に入るとソファに座っていた彼女が立ち上がって出迎えてくれたので挨拶を交わすと本題を耳打ちした。
まず最初に自己紹介をした後で自分の名前を告げた後で改めて今回の件の謝罪をした後で改めて自己紹介をすると彼女は微笑みながら言った──「初めまして、私はソフィアと言います。どうぞよろしくお願いしますね」礼儀正しく挨拶を返す彼女の姿に好感を抱いた俺は思わず見惚れそうになってしまったが慌てて気を取り直すと話を続けた──「こちらこそよろしくお願いします……ところで一つお聞きしたいことがあるのですがよろしいでしょうか?」
俺が質問すると彼女は快く応じてくれたので早速本題に入ることにした──「実は最近退屈しているのではないかと思いまして……もしよろしければ城内を案内して差し上げたいと思うのですがいかがでしょうか?」
俺が尋ねると彼女は嬉しそうに微笑んで答えた──「本当ですか!?ぜひお願いします!」その言葉を聞くや否や、俺は早速彼女を連れ出すと城の中を案内し始めたのだった。
最初は緊張していた様子の彼女だったが次第に慣れてきたのか笑顔を見せてくれるようになり積極的に質問してくるようになったため会話も弾んでいった……そんな中、廊下を歩いている最中にとある部屋の前を通りかかった時のことだった──不意に扉が開いて中から男が出て来たのでぶつかりそうになったがギリギリのところで避けることに成功したのだがその男はこちらを見て驚いた顔をしていたようだったがすぐに不機嫌そうな顔になって舌打ちをするとその場から立ち去ったので不思議に思っていた俺だったが気を取り直してソフィアさんをエスコートするべく歩き出した……。
その後も順調に案内を続けていき、最後に辿り着いたのは中庭だった──そこで少し休憩することにした俺たちはベンチに座って話をしていたのだが途中で話題が途切れると少しの間沈黙が流れた後で思い切って切り出した──「実は今回こちらに来たのはもう一つ理由があるんですよ……」俺がそう言うと彼女は首を傾げていたが構わず続けた──「実はあなたに一目惚れしてしまったんです……だからお付き合いしていただけませんか?」突然の告白に戸惑っている様子だったがそれでもじっと待ってくれている様子だったので俺は続けた──「ダメでしょうか……?」俺が不安そうに尋ねると彼女は首を横に振って答えてくれた。
「……ううん、嬉しいわ……こちらこそお願いします……」微笑みながら言った彼女の唇にキスをした後で抱きしめた後、俺たちはしばらくの間イチャイチャしていた……その間ずっと幸せを感じていたがふと我に返った後で慌てて離れて謝罪した。
それから改めてお付き合いすることになった俺たちだったが後日、無事に結婚式を挙げることになったのだがその際に招待客の中に黒幕の姿があったことには驚いたがソフィアさんと一緒に幸せになれるよう誓い合った後で披露宴が始まった。
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