貴方

鋒

貴方は針。

世界の端と端を歩む足には、血が咲き可愛らしく微笑みかけている。

無理はするな。

私の声が滴る。

否、私には喉を震わせる力はない。

私にも咲いていたのか。

球体の裏に不時着していた。

足元に貴方がいた。

共に歩みを進めた。

枯れてしまう、その前に。

残波。

奏者。

藍之。

速度は一定を保つ。

密度は一定を保つ。

体積は一定を保つ。

花を落つ。貴方を待つ。無い悪を裏返すために。