宝の山
◆ バビロニクス・宝物殿 ◆
――――なるほど、えきどにゃ様が言ってた挑戦しろってこういうことかあ……。
『ピコピコ♪ テテッテテテッテーーー♪』
「ああ~~……ああ~~……なるほど……」
宝物殿の中ね、なんとね、2030年ぐらいに大量にあったらしいゲームセンターみたいな場所だったわ……。今私がプレイしてるのはね『スーパーバビロンシスターズ』だね。いやーーーアンティークゲームってこんなに、楽しいんだ……。なるほど、宝物殿。たしかに宝物殿だわ。
ん~ちびバビロンちゃんを操作して、世界に平和を取り戻そうってゲームだけど! 横スクロールゲームで、右端のゴールにタッチするかボスを倒せば終わりなんだけど、いやああ~~~~地味に難しいなこれ!!? しかもね、残機が宝箱!! 今やってるのはレギオンダンジョンのステラヴェルチェ制圧戦のスキップなんだけど、ステラヴェルチェステージの難易度これ高くない!? 道中で支援アイテムのティスティススナイプとか、とつげきカレンちゃん! を取り忘れると最後のミズチ倒せないんじゃないのこれ。ふああーーーーー残機5残った! 残機10もあったはずなのにー!! ぐやぢぃぃぃぃぃいいいいい!!!!!
『バビロンちゃん達の大勝利~~♡ 報酬を受け取ってね!』
「勝ったぁ…………!!!!」
クリアしました! 所要時間、5分! 短いけど、確かにダンジョンに行くより遥かに短い時間でクリア出来るけど! ん~~なんだろう、なんだろうこのモヤッと感! 実際にダンジョンに行ってたらこの数倍の数の報酬が貰えたんだよなあって考えると、非常にもやもやするーーー!! まあ仕方ない、レギオンダンジョンは面倒だから仕方ない。あの面倒なダンジョンが所要時間5分で終わるんだから文句を言うまい。
『コチラ、景品交換所、デス。【ステラヴェルチェ制圧戦】、クリア、オメデトウゴザイマス。報酬ハ、コチラデス』
「ん、ありがと」
『…………? ドウ、イタシマシテ?』
「おーー宝石箱ある! ありがと! またね!」
『…………マタネ』
景品交換所のバステト神みたいな猫娘っぽいロボット、ちょっと可愛かった。話しかけるとちょっと困惑してるところとか結構好き。どれどれ、じゃあ開けてみようかなー? 宝石箱1個、金3個、銀1個かー。思ったよりあるなあ。じゃあ銀から。
『【王者の証】4個を入手しました
『【通常金属ハッピーセット】を入手ました』
お、銀のくせに悪くないんじゃない? いいねいいね。一応二重底チェック……。なし! じゃあ金行ってみようか。
『【覇者の証】5個を入手しました』
『【★★荒野の用心棒】を入手しました
『【★スネークアームレット】を入手しました』
『【★スペシャルカードバインダー】を入手しました』
おおーーー金箱のくせに悪くないんじゃないー? あ、でもレギオンをしっかりクリアした時よりは報酬ゲロッゲロしょぼいのか。しかも経験値貰えないし。そっかそっか、その分なのかな? まあここで経験値手に入ったら何の苦労もせずレベル上がって面白くないか。あ!! スペシャルカードバインダー、そういえばつくねちゃんとペルちゃんに渡してない!! 送りつけとこーーー。いま出た金貨袋で400万ぐらいまかないきれるね。ほい、送信! じゃ! 宝石箱!
『 ハ ・ ズ ・ レ ♡ 』
っすぅぅ~~~…………ふぅぅぅ…………。はぁああッッ!!!
『ジュエリーボックスの二重底を発見しました!』
『【◆王家のねこじゃらし】を入手しました』
なんじゃこりゃあ!! 性能! 性能の説明をせんかい!! 性能、ドンッッ!
【◆王家のねこじゃらし】(至高・シークレット・ほうき・空きスロット1【○】)
・【呪】装備にはクラスが【王系】でなければならない
・【呪】装備にはMAG400以上が必要
・全属性攻撃力+100%
・スキル【ディスペル】使用可能
・スキル【ディストラップ】使用可能
・空き
――――誰にもバレておらぬじゃろうな……。よし、大丈夫じゃな。ん、んっ……! ほれほれほれ~~妾が来たぞよ~~♡ by初代ステラヴェルチェ女王・エキドナ
強化不可・装備登録者【――】・重量0.2kg
ん゛っ゛!!!!??? これは、エキドナ様がこっそり飼っていたねこちゃん用のねこじゃらしですかぁ……!!?? そうか、そうか……。これがシークレットなのも頷ける……。トップシークレットなねこじゃらしだったんだね。それにしても装飾が豪華だし、この持ち手とか宝石付いてるし。何の素材で出来てるのこの猫じゃらしは……。わ、わからない。それにしてもかなり頑丈にできてるし、短杖ぐらいの大きさあるし、結構デカいなあこのねこじゃらし。
「リアちゃんに、良いなあ……」
よし、リアちゃんにあげよう。単純に属性攻撃力+50%も更新されるし、ディスペルにディストラップ! 解除系が2つも付いててすっぐぉい!! しかもカード刺せるんだこれ。あ、カードバインダーある分全部開けちゃお。
『【★リネームカード】を1枚入手しました』
『【ネームカード】を5枚入手しました』
『【★★★禍津アラクネのオリビエのサイン入りカード】を入手しました! おめでとうございます!』
『【破れた金のカード・B】を入手しました』
『【破れた金のカード・C】を入手しました』
お、サイン入りカードだ!! 破れカードは後でペルちゃんにあげよーっと。それでそれで、オリビエさんのカードは効果なんですか!?
【★★★禍津アラクネのオリビエのサイン入りカード】(アルティメット・登録部位【武器】)
・50%の確率で最終与ダメージが10%上昇する
・44%の確率で最終与ダメージが44%上昇する
・6%の確率で最終与ダメージが66%減少する
・上記の内いずれかが必ず発生する
――――サイン? サイン? サイン? サイン? できた。できた。できた。できた。by禍津アラクネのオリビエ
…………なん、だろう。この、なんだろう……。凄まじくメリットが大きいんだけど、デメリットも凄まじくデカい、この。なんだろう……。いや、6%引かなければ強いんだけど。むしろ94%はダメージ上がるからすっごい強いんだけど。いや、刺しとくか……。
『【◆王家のねこじゃらし】が【◆王家のねこじゃらし・オブ・オリビエ】になりました』
「リアちゃんには最初から刺さってたことにして渡そう……」
これは、最初から刺さってたカードだから。ね。リアちゃん、ねっ! じゃ、帰ろう――――と思ったけど、他の筐体も見ていこうかな。
「へえ~……。色々あるんだなあ~……まだ行ってないダンジョンのは電源が入ってないんだ」
まだ行ってない奴は電源入ってないんだね~。なるほど、しっかしここにある大量の筐体……そういうことだよね? しかも奥にはレースゲームマシーンみたいなのもあるし、私が今日やったのはスーパーバビロンシスターズだけど、他にも【セクシー♡ティスディウス】とか【忍者可憐伝】とか、他にもズラッとタイトルだけは筐体の上に書いてあるなあ……。あ、これ電源入ってる……【ヘルディウス・Ⅰ】……あ、これ地獄パーティへようこそ! だわ。間違いない。と言うかこの○○ディウス系多いなあ!? シューティングゲームなんだ、ああ~そうか行ったから金曜か月曜にならないとプレイ出来ないんだね。今度やってみようかな……。いや~宝の山だね! ここは!
それにしても本当に多いな~。それだけダンジョンもあるってことだよね。タイトルからは全く予想出来ない筐体もいっぱいあるし、楽しみだわ! 楽しみが増えちゃって仕方ないねこのゲームは!
「……よーし、ここの筐体全部クリア、目指すかあ~~!!」
良い目標が出来たね、ここにあるやつ全部クリアを目指して、頑張ろっ!!!
◆ ◆ ◆
「……にゃっ!!」
「(かわいい)」
どうしよう、ギルドルームにリアちゃんが居るって表示になってたから帰ってねこじゃらしをプレゼントするつもりが、リアちゃんがねこじゃらしを見た途端に目の色が変わって、フリフリってしたら猫に変身して飛びついてきてしまったよ……。滅茶苦茶可愛い、可愛い……。どうしよう、可愛い……。
「はっ……!? お姉ちゃん!? なんてことをさせるんですか!」
「あ、戻っちゃった……いやね、違うんだよ。これ、一応ほうきでね? つよーい装備だからリアちゃんにどうかなーって」
ああ! 戻っちゃったぁ……。
「んん~っ! そういうことなら、受け取りますっ!! あ、これ…………スンスン…………えきどにゃ様の、なにかそんな感じのを、感じる……っ!」
「す、鋭すぎる……」
「やっぱりえきどにゃ様のですかっ!! むむむっ、受け取っちゃいます! ありがとうございます、今度これをちら見せして動揺を誘います!」
「やめてあげてよぉ……!」
リアちゃんが悪い子になっちゃったよう……。ごめんなさい、えきどにゃ様。えきどにゃ様の秘密を、渡してはいけない子に渡してしまった気がします。お許しください。
「あ! 私、もうちょっと練習したいことがあるので、今日は自由行動にさせて貰ってもいいですか?」
「ん、大丈夫だよ~? それに、今日はもう寝ちゃおうかな~って思って」
「あれ、早いですね」
「ん~……。今日はやりたいことがないかなーって思って。マリちゃんのことは気になるけど……。あ! そうだどん太、モッチリーヌちゃんのところ行く~? 明日迎えに行ってあげるから」
『わうぅぅ!!? わんっ!! (え!? いく!!)』
「じゃあ、私は行ってきます! また明日ですお姉ちゃん、おやすみなさい」
「おやすみ~頑張ってね~」
「はいっ」
リアちゃんがまたどこかに行ってしまった~。何か練習してるんだねえ、私にもナイショで。驚かせたいんだろうなあ~楽しみにしてるね。
そしてどん太め、あんなに会うのを渋ってたのに、一度会ったらこれよ。正直でよろしい!! それじゃ、今日は皆向こうに移動させて……私もローレイ側で落ちるかー。
「およよよ? 固定の時間だーって帰ってきたらリンネちゃんが居る~。ただいま~」
「おかえりなさい、お昼寝さん! そうだ、掲示板の奴見ましたか?」
「あ、見た見た~」
お昼寝さんが帰ってきた! 固定の時間……あ、地獄パーティの固定か~。23時からなんだ、結構遅い時間に……あ! レイジさんがこの時間だからか! レーナちゃん、0時にはおねむになるけど大丈夫なのかな?
「それじゃ、その話を……っと、その前に! どん太、ローレイ行きのポータル開いてあげるから行きな~」
『わんわんっ!! (やった~~!!)』
「お、どん太くん今日は向こう行くんだ。またね~」
『わうわう~ (またねーー)』
「ふふ、前足ぴこぴこさせて挨拶返すの可愛い~~……」
「可愛いですよね~……。じゃあ、今日の地獄パーティの話、聞きますか?」
「お、聞く~~。ぜひ聞きたいね~」
じゃあ、お昼寝さん達がサクサク攻略出来るように、今日の地獄パーティのお話をしておこう! まずはミズチだったね、相性がいい相手だったから良かったけど、お昼寝さん達は大丈夫かな~? ん、まあ! 出発までにお話が終わるようにチャキチャキ話をしようね。お昼寝さん達も攻略成功するように、応援しなきゃ!
「――――いやあ、リンネちゃんの情報はほんっと、宝の山って感じがするよぉ~ありがたや~……」
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