4 苦いミルク
彼は毎朝、コーヒーにミルクを入れて飲んでいた。ミルクは彼の妻が買ってきたもので、彼はその銘柄や値段には興味がなかった。ただ、ミルクがあればコーヒーが美味しくなるということだけを知っていた。
ある日、彼はいつものようにコーヒーにミルクを入れて飲もうとしたが、ミルクが切れていたことに気づいた。
彼は妻に電話をかけて、ミルクを買ってきてくれるように頼んだ。しかし、妻は忙しいと言って断った。彼は怒って電話を切った。
彼は仕方なく、コンビニに行ってミルクを買ってきた。
コンビニのレジで、彼はミルクの値段に驚いた。なんと500円もしたのだ。彼は高すぎると思ったが、コーヒーにミルクが欠かせないという思いから、仕方なくミルクを買った。
彼は家に帰って、コーヒーにミルクを入れて飲んだ。すると、彼は驚いた。コーヒーがまずくなっていたのだ。彼はミルクのパッケージを見て、その理由を知った。
なんと、彼が買ったのは牛乳ではなく、豆乳だったのだ。
彼は悔しくて泣きそうになった。そして、妻に電話をかけて謝ろうとした。しかし、妻から先に電話がかかってきた。
妻は嬉しそうに言った。
「あなた、今日は私たちの結婚記念日ね。私、あなたの好きなミルクケーキを買ってきたの。あなたにたくさん食べてもらいたくて、わざと家に牛乳を置いてこなかったの。ごめんね」
彼は言葉を失った。そして、自分の愚かさと妻の優しさに涙した。
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