第18話 諸外国の不穏な動き
民主化革命が各地で起きている現状。
暗躍する諜報活動。
停滞する経済活動の裏で各国は生存の為に蠢いていた。
他の大陸や諸島などにおいては植民地の獲得が激しくなっている。
資源の確保と経済圏の拡大は国家存続に重要だと考えられていた。
王国も同じように海外において、植民地政策を推し進めている。
幸いにも経済的に豊かさを持つ王国は政治的にも経済的にも安定はしている。
だが、それでも国民の中には貧富の差が開きつつあった。
今回の民主化騒ぎもそうした一部の国民が惑わされた結果であった。
経済の立て直しの為に戦争を起こそうとする動きもあった。
特に植民地が少なく、経済困窮する国の幾つかに軍備増強の兆しがある。
戦争の様相はかつてと違い、重工業が主役となっていた。
戦車、飛行機、戦艦。どれも大金が動く。
一時的にせよ、国家予算はそれらに割り当てられ、経済は回った。
だが、それはまやかしである。
生産性の無い業界が潤ったところで、本当の意味で経済は回らない。
やがて、膨らんだ軍事予算を前に国家は決断せねばならない。
戦争
それはやらねば、自滅と言うところから始まる。
誰もが戦争をしたいわけじゃない。
だが、やらねば国家滅亡。国民の生活は滅茶苦茶になるだろう。
だからこそ、苦しい中で徴兵がなされ、多くの若者が兵士になる。
戦う事が家族の生活を守る事だと信じて。
発端は王国の南端に隣接するガスパ王国であった。
植民地を持たない小国であったが、彼らは隣国のミユル王国へと進軍した。
理由は国境沿いにある鉱山の権利を主張した事から始まる。
歴史的に見ると、この鉱山を争い、幾度も戦争をしていた。
この地の奪還の為、ガスパは国境線を超えて、侵略を開始した。
当然ながら、鉱山には防衛の為の軍が置かれており、激しい戦闘になった。
僅か二日で鉱山はガスパに陥落したが、そこからが泥沼の激戦となる。
小国同士故、戦力の差は左程では無かった。
当初、有利と思われていたガスパ側も長引く戦争に疲弊して、じり貧となりつつあった。
ミユルはすぐに関係国に協力を求めた。
ミユルは小国ながら、工業力に優れ、多くの国々との関係があった。
結果的に数か国が応援の為の軍を派遣するに事になり、形勢は逆転しつつあった。
ガスパは目論見が崩れ掛けているのみならず、このままではミユルを中心とした連合軍に反撃を受けて、滅亡しかねない勢いだった。
だが、このガスパの窮地に手を差し伸べる国々があった。
それはミユルやその協力国と敵対する国家であった。
この戦争は代理戦争の様相を見せた。
ガスパとミユルは全面戦争へと突入し、互いの国土の全てが戦場となった。
すでに両国では戦争を止める事すら出来ず、激戦へと発展した。
3か月に及ぶ戦争は停戦となったが、両国は国民の3割が死亡し、国土の大半が荒れた。両国で民主化革命が勃発し、王政は倒された。
この戦争を切っ掛けに世界は民主化の嵐に巻き込まれる。
だが、経済の困窮は止まらず、世界は更なる闇へと堕ちて行った。
この時期、自由経済に絶望した人々は共産主義または社会主義を声高に叫んだ。
一部の経済学者が提唱した理論だが、それは労働者階級に深く刺さった。
結果的に一部の国家では共産革命が起こり、国が打倒された。
民主化とは違う革命の流れであった。
王政が否定される時代となり、世界中の貴族階級は革命に怯えていた。
困窮する民衆は全ての責任を貴族に負わせた。
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