ダンジョンマスターの復活(Side:クロード)
「きゃああああ!」
元仲間だった聖女を突き落とす。
仕方ないだろう、やったら教会は大金をくれるって。
平民の聖女で盲目で足手まといな所があるソフィア一人の命で、この谷の底にいる魔王クライノートを封印できるっていわれたら、仲間の一人くらい差し出すしな。
「ちょ、ちょっとクロード」
「なんだんマリーネ」
マリーネが俺の名前を呼ぶ、振り返ると、谷から瘴気が吹き上がっていた。
なんだこれは⁈
俺達は慌ててその場から逃げ出した。
「何、谷から瘴気が吹き上がっただと⁈」
「なんなんだよ、あれは⁈」
「お前達、まさかとは思うが聖女を突き落としたりしなかったか⁈」
「な、なんでそれを……‼」
「馬鹿者‼」
ギルドマスターと教会の奴らは明らかに焦っていた。
「言う通り、谷に聖女を落としたんだから──」
「聖女が落とされたのでは意味が無い! 聖女自らがその身を捧げなければ意味がないのだ‼」
「ど、どうなるんだよ」
「……ダンジョンマスターが復活する」
「ダンジョンマスター?」
俺が首をかしげると、カイルが顔を真っ青にして問いかけた。
「あ、あらゆるダンジョンを支配下に置き、ダンジョンを生み出し、作り替える事が可能だという、あのダンジョンマスターですか……⁈」
「うむ、そうだ……」
「やばいやばいぞ! 下手したら全てのダンジョンが冒険者にとって危険な区域になって立ち入れなくなる‼」
「な⁈」
「これは早急にダンジョンマスターの討伐を依頼しなければなりませんな」
「復活した今なら、倒せるかもしれません」
ギルドマスターが教会の連中と話してる。
なら、俺達も参加しなければ。
このままだと報酬も何ももらえないままだからな!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます