005 両方って何!?

 一通りの騒動が落ちついてから、ミウはなんとかベッドから抜け出し、ため息まじりに、鏡を見た。


どこから見ても、金髪の目鼻立ちの整った可愛い女の子だ。神様が上手くやってくれたらしい。


だが、前世と大きく違うところがあった。


それは、トイレに行った時の事だった。用を足そうと服を脱いだ瞬間、ミウは目を疑った。なんと、あるはずの無いモノが自分にくっついていたのだ!


いやぁぁぁ〜っと、叫び、ガタガタと震えた。「こ、これは、何?」と言うと、みんな「ミウ様の大切な身体のひとつですよ」と言った。


「なら、わ、わたしは男の子なの?」と聞くと


「そうでもあり、そうでもございません」とみんなが言う。


ミウはまだ幼児なので、みなはっきり言わないが、メイド達が話しているのを聞く限り、


 この国では、魔力が強い者や神の祝福を受けた、ごく一部の人間は、男でも女でも無く、両方を兼ね備えた「無性別」と呼ばれるものになる。3歳までであれば強く希望した性別へと分化するらしい。


その結果、幼児でしかないミウに、身分の高い年の離れた婚約者が決まったようだった。


と言う事は、、


どっから見ても、ルチル様は女性だったから、私が男役で子供を作る事になるの?


いやいやいや、無理無理無理!

万が一逃げきれず、無性別のまま大人になったら


結婚!?あの人と?

どうやって!?後継ぎとか、


実質女同士なのに、どうしろってんのー?


うわーん。出来ないし、女性と結婚なんてやだよー。

逃げ場の無い、自分の身体の違和感に

ミウはわんわん泣いた。

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