第8話 誘拐

ロナ「いやいや…二人が付き合ってるって?まだ会ったばっかだってこの前…」



サヤ「あれ…嘘…実は私とレドは幼なじみみたいなもので…こどもの頃からずっと一緒に生活してたの。嘘つき続けて本当にごめんね…」



真実と嘘を織り混ぜながらサヤは話した。ロナは泣き出してしまい、サヤは必死に慰める。



ロナ「なんだよぉそれ…なら最初から諦められたのに…二人して嘘ついて…」



サヤ「ごめんなさい…」



そこへ誰かが近づき…

グサッ

二人の首に睡眠薬を挿した。二人は倒れ、集団に連れて行かれた…



一方…レドはというと…



レド「あいつら遅いな…様子見に行った方がいいのか…?いやでも女性の話だもんな…」



すると門番だろうか。誰かが話しかけてきた。



「兄ちゃん!早く逃げた方がいいぞ!あんたらが捕まえた盗賊が逃げ出したって…あのお二人はどこなんだ?」



レド「二人は話していて…しまった!奴らに狙われる可能性が高い!」



そうなったときにはもうレドは走り出していた。



「あー兄ちゃん!俺たちも捜索するから無理すんなよ!」





サヤ「痛…油断した…ロナは…?」



ロナはサヤの隣に倒れていた。まだ目を覚ましていないようでぐったりとしている。



「お目覚めかい?昼は世話になったな…」



サヤ「盗賊か…?グッ…」



盗賊はサヤの髪をつかみ、床に叩きつける。サヤの顔に血が滴る。



サヤ「なにが望みだ?」



「お前らを闇市に売り飛ばす。その前にちと楽しませてもらうがな。」



そういい、サヤの口に薬品を突っ込んだ。



サヤ「う…なんだこれ…」



盗賊はニヤリと笑いながら言った。



「それは特級品の媚薬さ…すぐに効果が出るだろうなぁ…魔族なら犯しても罪にならんからな…ハハッ!」



サヤ「体が熱い…頼む…やめて…」



「それが通用するなら俺たちはいないんだよぉ!?」



そう吐き捨てると、サヤの服に手をかける…そのとき…強い光がさしこむ。



「!?なん…」



誰かが盗賊の顔に蹴りをいれる。サヤは誰だかわかっていた。



サヤ「レド…!」



レド「本当にすまない…怖かっただろうに…ごめんな…」



サヤ「んぅ…怖かった…なんか、薬飲まされて…熱い…」



そこへ門番が到着する。



「嬢ちゃんたち大丈夫だったか!?あいつら逃げ出すだなんて…こいつらの処罰はまかせな。逃走は罪が重い。」



レド「なにか薬を飲まされたらしい…なんの薬とか言ってたか?」



サヤ「び…媚薬とかなんとかって…」



レド「くそっ…こいつらそんな事をしようと…無事で本当によかった…」



レドはサヤを固く抱きしめる。



サヤ「ひゃっ…レド…薬が効いてるから…変な感じするよぉ…」



レドは離さない。すると…



ロナ「あいたたた…なんなの…?」



サヤ「ロ…ナ…!」



レド「ロナ!無事だったか…よかった…起きたばかりですまないが…サヤが大変なんだ…!」



ロナに事情を説明し、一度宿に戻ることにした。ベッドにサヤを降ろし、様子を見る。



レド「媚薬って体に害あるのか?」



ロナ「いや、ないと思う…粗悪品とかじゃなければ大丈夫よ。」



苦しそうにするサヤをみて、レドはとても心配している。

ロナはまだモヤモヤが残っている。二人が付き合っているということに…



ロナ「………レド。ゴブリン討伐の時の話なんだけどさ…」



レド「……ああ、なんだ?」



ロナ「その…私レドのことが好き。男性として…」

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