第53話 「新しい街」

『ディグダッグ』


ずばばばばーーーーん!!


王様への報告が終わった後、広大な杜の中心にある湖の辺りで土地開発の一環として街の堀を作っています。


みんなはその光景を見て呆然としている。すると、ルーベンがやってきた。


「フリージア様、皆のものでこの街の名前を協議した結果、セイント、フリージアに決定しました」


なんで私の名前に変わっているの?恥ずかしすぎる。


「ちょっと待って、ここはセイント・フリーダムだったん」


そこまで話しているわたしの言葉を遮ったのはライデンだった。


「なんと素晴らしき名前」


するとあれよあれよと言う間に口々に


「言うことがない」




更にドレファスまでも


「天高く荘厳な響きの街名こそ、フリージア様が開拓された街にふさわしい。それは、まさにセイント・フリージアしかごさいません」


ひゃー??


こうしてわたしの意見は無視され、セイント・フリージアになってしまった。


しかも、私の名前がついた街が着々と建設されていった。しかも聖騎士団には、土木建築、金属加工、農業と言った専門知識がある物も多く、街の建設に多いに役立っている。


恥ずかしすぎるよ。


と言うことで私は逃げるように王都に戻って治療士をしながら、のんびりと暮らしていこうと思っていた矢先、あんな出来事がおきるとは?

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