第45話 「ーー対決!!聖騎士団 VS フリージア」

聖騎士団 団長ドレファスは、無口な男だった。



「団長!!指令を」



「フム…これより偽聖女討伐に向かう。以上」



こうしてドレファス率いる聖騎士団1万の精鋭はクラリスへ向かっていた。そのことは、既に王の元へ連絡が入っていた。しかし、フリージアがそのことを知るのは、数日後のことであった。


「父上、近衛第一師団は、聖騎士団討伐に向かいます」


「わしも出る」


「父上」


「エターナルの危機だ。全力で聖女様を守るのだ」


王都クラリスが状況にフリージアも気付いた。


「マーリン様…一体何が」


「フリージアよ。お主は関係ない」


「しかし、私を討伐しに来たのですよね」


「そうじゃが…」


「でしたら私が正面に討って出ます」


「何を言っておるのだ!!相手は魔王をも倒すことができるドレファスじゃぞ…」


するとそこにライデンが現れ話を始めた。


「マーリン様、我が主は、あのような兵力で倒されることはまずありません」


「ということはどういうことじゃ」


「フリージア様の防御力でしたら、十分に耐えることができます。ですから、一人で出陣、彼らの猛攻を無傷で突破して、彼らの心を折ることが大事です。そして、問題はここからだ。相手が人間である以上、フリージア様に人殺しをさせるわけにはいかない。どうやって攻撃をするかだ」


「そうじゃな…更に彼らにかけられている聖なる誓いを解く必要があるのじゃが、今回は一万と数が多いのが問題じゃな」


「そうしないと自爆攻撃を受けることになる」


「それはえぐい…」


確かに、ライデンの言う通りなんだけど、レンジヒールでは、せいぜい、半径100mまでしか有効範囲はない。ということは、どうすれば…ん?そうだ。


「マーリン様、ライデン!!私いいことを思いついちゃった」


「一体どういうことだ?」


私は二人の耳元で声を潜めて作戦内容を伝えた。


「なるほど…」


「ほーじゃったら、可能じゃな」


こうして、私発案の作戦が始まったのだった。


***


ドレファス率いる聖騎士団精鋭1万は、既に王都クラリス郊外約10キロの地点まで進軍していたのだが、そこで驚愕の光景を目の当たりにしたのだった。


それは伝令からの報告であった。


「敵襲!!敵がこっちに向かってきます!!」


「どのくらいの数だ」


「ひ…一人です。しかも、女性!!」


「なんだと!!」


これからの戦闘に備え、陣地で休息をとっていた聖騎士団は騒然となった。


「どういうことだ?」


「一人だと?」


「偽聖女の自ら首を差し出しに来たのか?」


「たぶん!!」


「見間違いではないのだな」


「はい」


そして、次の伝令が走り込んできた。


「偽聖女と思われる女性が単身こっちに向かってきます」


そんな馬鹿な話を聞いて、ただでさえ楽勝モードだった彼らに、既に勝利したという確信が生まれたのだった。しかし、この数分後、彼らは想定外の事態に狂気するのであった。


楽勝モードの聖騎士団の騎士たちは、我こそはと、フリージアに向かって走り出したのだった。


「偽聖女の首をもらった!!」



ガキン!!



しかし、ミスリル製の剣が目の前で砕けたのを見て驚いている。


「ふふふ…それ…効かないのよ」


『レンジヒール!!』


「ぐぁあああ!!」


彼女が呪文を唱えた瞬間、半径100m以内にいた戦士たちは断末魔の悲鳴を上げ、その場に倒れ込んだのだった。しかも、彼女が前進するたびにレンジヒールに入った戦士たちは次々と断末魔の悲鳴を上げ、倒されていったのだった。


この様子を見ていた無口な師団長ドレファスは日記にこう記していた。


金色に輝く神の光に騎士たちはの次々と裁きを受けているようだったと


「あの光は危ないぞ…全員距離を置け!!」


聖騎士団は彼女から距離を置いた。そして、魔法攻撃をさせない為、結界を張ったのだった。


しかし、フリージアはこの結界を既に経験していた。


「もー!!またこれ?」


『レジジョン』


フリージアが結界突破魔法をかけると結界を担当していた騎士たちは、魔力の逆流を受けその場で吹き飛ばされ、気絶した。


「何?結界がきかないだと」


『ファイヤーボール』


『ウィンドカッター』


『ダークブラスト』


しかし、これらの魔法攻撃はフリージアには全く効かなかった。


「師団長様!!魔法攻撃が効きません」


「何?上級騎士を集めよ。あれを行う」


「わかりました」


そんな混乱をしている中、全ての攻撃をダメージゼロで受け止め、進軍してくるフリージアに対し逃げ惑う騎士たち。一部の勇気ある騎士は、単身特攻を行うが、彼女のヒール範囲にはいり、次々と断末魔の悲鳴を上げ倒れて行ったのだった。


そして、一時間の戦いで、勝敗は既に見えていた。1万いた精鋭部隊は、上級騎士100名を残し、全て倒れていたのだった。


「いいかみんな!!最後の戦いだ」


上級魔導士はフリージアに向かって構えた


『アルティメットグラビティ―アタックー!!』


漆黒の稲光をはなつ物体がフリージアに向け一斉照射された、しかも、魔力が続く限りの連続攻撃を行った。次々とフリージアに当たり爆炎を上げていったのだった。


そして、数分後…


全ての魔力を使い果たした彼らの目の前の煙が晴れた瞬間、その場にいた全員がわが目を疑った。


「バカな…」


「無傷だと?」


「ば…化け物!!」


「失礼ね」


『テレポーテーション』


魔力を使い果たし、体力だけで構えていた彼らの目の前に、フリージアは一瞬で現れた。次の瞬間騎士たちは


「うぁあああああ」


一瞬の出来事に悲鳴を上げたかと思うと


「ぐぁあああ」


断末魔の悲鳴を上げ、その場で崩れ落ちたのだった。


こうして、フリージアは、聖騎士団1万の軍勢を無傷で倒したのだった。






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