隣の瀬名くん

榮樂奏多

隣の瀬名くん、叶絵のシャワーの音を聞く。

本当に欲しいものはなかなか手に入らない。

手に入れたくて、努力する。

努力して、努力して、この身を削って。

でも、それでも手に入らないことがある。

なのに、いらないものはすぐに手に入る。

努力とか、何もしなくても、手に入る。

ずっとそう思ってた。

でも、違った。

人間は、ないものねだりなんだ。

簡単に手に入るものには興味を示さない。

手に入らないものこそ、どうしても欲しくなる。


だから僕は君を、叶絵ちゃんを絶対に手に入れる。

あ、そろそろ叶絵ちゃんのシャワーの時間だね。


隣の瀬名くん、今日もご飯を食べながら、叶絵のシャワーを浴びる音を聞く。

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