最強最カワTS無双★俺のターンはジ・エンド!?~乙女ゲームで俺だけクロスチェンジする件~
MURASAKI
プロローグ
嘘だ! これが……俺?
目が覚めると、見知った顔が鏡に映る。
つややかな唇、潤んだ大きな瞳、スッと通った鼻筋。
そして――自身の手よりも大きな胸とありえないくらい引き締まったウエスト。邪魔にならない大きすぎない腰に引き締まったヒップ。すらりと伸びた手足には無駄な肉が一切ついていない。
女の身体なんて母親以外、アニメか漫画か写真でしか見たことがない。
そっと胸に触れると、思ったより柔らかくない胸の弾力に驚く。興味本位から突起に触り、そしてまだ自分で見たことが無い秘められた部分に恐る恐る指で触れる。
「んっ」
体中に鳥肌が立ち、何とも言えない感覚が俺を襲う。
「俺の声、かわいい……」
当たり前だ。俺の声は間違いなく鏡に映った美少女が放っている。人気声優〝モエりん〟こと「多田
自分の声に酔いながら、更に奥へと指を伸ばすと、身体が強制的にフリーズする。
――っな!?
目の前には真っ赤なシステムウインドウが出現し、警告音が響き渡る。
『システムエラーです。十八歳未満はこれ以上の画像を見ることができません』
嘘だろ!? 自分の身体ぐらい好きにさせてくれよ!
身体がフリーズしているせいで声が出せない。目の前の鏡には〝磔〟のように身動きが取れない素っ裸の女が、顔を真っ赤にしているのが見える。
――ああ、これだけでオカズになるなぁ。
自分自身の姿とは言え欲情するほど淫らなポーズを強制的に取らされている。
不埒なことを考えたせいかどうかは分からないが、ウインドウが一度閉じ、再度表示される。
『このゲームは
――イエス! この前、十八歳の誕生日を迎えたばかりだからな!
『イエス、ですね。では、ゲームをお楽しみください』
次第に意識が遠ざかっていく。本当に俺は女の身体になっているのか⁉ 次に目覚めると、自室のベッドの上だった。
パジャマの上から胸に手をやるとハリのあるでっぱりがある。おそるおそる股間を探ってみるが、俺の
「嘘ォ! アタシ女の子になっちゃった……ふふっ、楽しくなりそうね!」
俺はそんなふうに話していないが、勝手に【嘘だろ! 俺、女の子になってる……でゅひ、楽しめるな】という言葉が変換され、美しい声となって発せられている。
目の前にステータスウインドウが出現し、スキルの欄に【新着】マークが点滅している。
『スキル:自動翻訳(TS)Lv:MAX』
おぉう……勝手にしゃべったことが女の言葉に変わるのか。確かに俺の喋り方ではこの美貌を持つキャラクターには合わない。
妙に納得して、さっきの続きを……と思ったが、どうやったら気持ちよくなれるのか全然わからない。
――まあ、どうせ百合ルートを選ぶんだから、お気に入りのあの子
このあと何も考えていなかった俺は、全員の女子とのステータス上げに奔走し、ムフフな展開を迎えるのだが……別な欲望がふつふつと胸に湧き上がることに困惑した。
――これはこれでイイが、
「なんで、男の意識のまま転生してんだよぉぉ! 全部女になっててくれよぉぉ!」
俺の叫びは空しく脳内に響き渡る。どうやら俺は、いばらの道を突き進む方を選んでしまったようだ。
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