第2話 二郎系ラーメン
創作論の話をするよりも普通の話をしようかな、と思う。
前回も書いたけどほら、火種にしかならんし。
起承転結とか序破急とか三幕構成とかSAVE THE CATを読めとかいろいろ言われるけどさ、めんどくさいんだよな。
いや、SAVE THE CATは読んだよ? 読んだけどあれ……あくまでハリウッドで生き残るやり方の本だから小説勢にはそこまで関係のない話もかなり多いからね。
小説、ゲームシナリオ、アニメ脚本、漫画原作、舞台脚本、ドラマ脚本、映画脚本……全部媒体違うからね。
参考になる、ならないは人によるだろうけどプロットの作り方(特にログラインは誰でも参考になるんじゃないかな)あたりは使えると思う。
さて、ラーメン二郎の話をしようか。
ラーメン二郎の存在を知ったのは高校生の時で「大量の麺!濃厚なアブラ!クソデカいチャーシュー!美味しいスープ!」という紹介を見て興味を持った。
高校卒業後にケーキ工場に就職して特にやる気も出せないまま働きつつ、休憩中にTwitterをやったりしながら働いていた。
で、ある日『ラーメン二郎が仕事帰りに行ける距離にあるよ』という情報を得た。
当時働いていた工場の最寄駅(近いとは言っていない)が蕨駅、蕨駅から南浦和で乗り換えてそのまま大宮駅に。
そう、今は亡き『ラーメン二郎大宮店』だ。
到着したのはちょうど夕飯時で、店の前信じられないほどの長蛇の列。
到着した時は雨が降っていたのでまぁまぁしんどかったけど、お腹も空いていたので我慢して待つ事に。
大体40分ほど待って席へと案内される、客の回転がめちゃめちゃ早い。ファミリー客がいないからだろう。
あ、ちなみに券は最初に買っておいた。注文したのは豚入りラーメンの大だったかな。
お腹空いてるし、食べられないって事はないだろうと思ったんだ。
店内には若い女性客もチラホラ見受けられる。
ラーメン二郎の注文の注意点は既に分かっている。
麺の固めが好みの人は注文直後に店員さんにカタメと伝える。
アブラはあると野菜が食べやすくなる、カラメはしょっぱくなる、野菜は増さない。
野菜は増さない(重要)
着席してからちょっとしてからトッピングを聞かれる。
取り敢えずアブラだけ追加して(ニンニクは最初から入ってる)待つとすぐに着丼。
声は出さなかったけど、想定したよりも迫力満点。
丼になみなみと注がれたスープ、野菜で麺が見えず野菜には煮込まれた豚の脂がかけられていて……追加していないはずなのにニンニクがワンスプーン分乗っている。
そして何より目を引くのはクソデカいチャーシュー(豚)
程よく煮込まれていて、バランス良く赤身と脂身がドッサリと乗っている。
まあ、食えるだろ。
当時は若く、胃袋の限界とか知らなかったのでまずは最初に野菜から片付けることに。
野菜には案の定味とかついてないし、それは野菜の上にかけられた脂身も同じ。
ブラックペッパーにチリペッパーをふりかけ、スープに浸しながら野菜を食べすすめていく。
野菜を片付けつつ、豚も食べていく。
豚にも味が染みていて美味しい……美味しい……?
なんでだろう、飲み込めない。口の中がすっげぇパサパサする。
パサパサするというか、豚肉の繊維が口の中に滞留し続けている。
いや、かってぇなこの豚!!
パサパサを超えてもうバサバサしてんじゃんこれ!!
麺と同時にスープを吸い込み、頑張って豚を飲み込み、少しでも柔らかくするためにかってぇ豚はスープに沈める。
野菜を食べきり、いよいよ麺に突入する。
後半になると食べるのが苦しくなってくるという知見を既にネットで得ていた俺は麺と並行して豚を食していく。
豚が固かったのは1枚目だけで2枚目は普通に柔らかくて食える、どういう事なの……?
これは後になって調べた事だけど、大宮店の豚には当たり外れがあるらしい。
脂身でも噛みきれないほどの固さのものがあるんだって……それはスープに投入した時間によって変わるのだろうか?
赤みが出てくるって事はないとは思うけど、まぁ閉店したから知る由は無いのだが。
スープに浸した豚はある程度食べやすくなり、麺もあと残すは三割ほどほどだろうか?
というところで箸が止まってしまいそうになり、取り敢えず水を一口。
思っていたよりも腹に溜まってきている。まあ、着丼した時からわかっていたことではある。
まあ、箸が止まっただけで「無理をすれば食べられん事はない」のだ。
無理をして食べすすめ、無事に完食。
店内には出入り口が二つあり、片方は出口専用なので出口専用から出ることになる。
店から駅までは歩いて10分もかからない距離なので、電車を乗り継ぎ最寄駅へ。
そして、最寄りから自宅へ向かうところで身体に異変が起きた。
昼の11時30分に昼食を食べたきり、ずっと身体に何も入れなかったところに脂、塩分、炭水化物、肉、ニンニクを大量摂取したせいで身体がびっくりして猛烈な腹痛が襲いかかってきたのだ。
幸い、自宅への道はそれなりに店が充実しているので大事には至らなかった。
が、結局満腹感は翌日まで続き昼飯を食べてから帰宅するまで空腹感は無かった。
しばらく二郎には行かないでいいかな……と、思っていたのに、翌週には猛烈に二郎を欲していたので二郎には中毒性があるらしい。
とはいえ、二郎に行くには大宮まで行かねばならんので微妙にめんどくさいんだよな……。
そんなわけであれこれ調べていたら、二郎リスペクト店なるものがそこら中にある事が分かってしまうのだった。
行く度に「二郎はもう行かなくていいかな……」って思ってしまうのに。
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