十二月天物語

第39話 溫かい思い出

その日、彌生は年月天の手を握って、小萌はおりこうに後ろについていた。

彼らは年月天を歩きながら、小萌を振り返りながら、可愛らしい目で愛情に満ちた表情を隠せなかった。

彌生は年月天を連れてしばらく歩いた後、ある場所で足を止めた。

彌生が止まった場所は、草一本生えていなかった。

他の場所とは対照的に、花が咲き亂れる景色とは明らかに異なっていた。

年月天は足元に花や草がないのを見て、彌生を疑問げに見つめた。

彌生は年月天の反応がないのを見て、黙って埃払いを取り上げ、軽く振った。

彼らの周りには暖かいオレンジ色の光が満ちていて、彌生は一回転しながら美しく踴り、オレンジ色の銀河の中で輝いていた。

そしてもう一度拂いた瞬間、オレンジ色の光が再び現れ、彼らの前に祭壇のようなものが現れた。

それは界源のように見え、年月天は彌生の界源の扉なのだろうかと思った。朱槿の花が満開で本當に美しかった。

「行きましょう」と彌生は年月天の手を引いて彌生の界源の扉に向かって歩き始めた。

どれくらいの時間が経ったかわからないが、彌生と年月天は興味津々で、なぜ突然彌生が彼を後山に連れてきたのかを疑問に思った。

その時、彌生は後山のむき出しの場所を指さしながら言った。

「君の暖かさで新たな命を吹き込んでみてくれ！」

「それらとは？」年月天は疑問に満ちた表情で尋ねました。

彌生は後山のさまざまな場所を指しながら説明しました。

「さっき指した場所は、本來は花や草が生い茂っていたのですが、異常な気候の影響で一面が荒れ果ててしまっています。」

年月天は周りを見回した後、頷きながら言いました。

「それなら、試してみます。」

そのとき、年月天は年沁の埃払いを手に取り、溫かい思い出を思い出しました。

睦月が道路で彼を助けてくれたことや、風澪や雪澪との共に過ごした時間、そして冰祁や霜祁のお世話など、さまざまな思い出が蘇りました。

すると、年月天の手の中の埃払いがオレンジ色の光を放ち、彼の著物も少しずつオレンジ色に変わって銀河のような輝きを放ち始めました。

そして再び埃払いを振ると、周囲には驚くべき変化が起こり、一瞬でオレンジ色の花が一面に咲き誇り、草地が広がりました。

彌生は年月天を喜びながら見つめ、うれしそうに頷きました。

まるで年月天が上手にやっていると言っているかのようでした。

年月天は周りの花や草を見つめながら、自分の能力でこれらを生み出したことを信じることができず、しかし、彼はとても嬉しく、心は幸せでいっぱいでした。