第2話 王子様

女は勤めを終え、家路についていた。

電線の烏が夕日に一声、鳴く。

代わり映えのしない仕事、同僚。

いつか王子様が…。

苦笑いした。

小娘じゃあるまいし。

一方、男は至福の極みにあった。

縄が食い込むたび、股間の麻呂は猛々しく反った。

汗と涙が溢れ落ちる。

その大粒は、麻呂にぶつかって綺麗に砕けた。

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