未来逃避

恋の先は愛


しかし、愛の先は社会


拳では、どうにもならない


現実が僕ら、いや僕を阻む


愛で暮らしたい君


夢に夢を乗せる僕


恋はある、愛もある


それ以外は何も無い


受験と同じように、正解はあるし見えている


「無い」と言うのが楽なだけ


自らを空にして漂うのは、泳ぐより楽


泣く君、泣く僕


しかし、涙は乾くのが道理


朝は今日も明るい、故に強い


全てを日差しで消し去る


涙も思い出も愛も全て



ねえ、僕を揶揄してみせて


笑う君の隣で、さらに笑う


夜は今日も暗い、故に弱い


無駄な考え事だ



波の無いところへ行きたい


しかし、宇宙にも波はある


ならば、その外側へ行こうか


僕は粒子になって、ばらばらになる


何世紀も漂って


暫くは無意識の中へ沈む


無だ





ヘンテコな言語が、向こうから聞こえる


目の開け方も忘れた


金縛りを解くように


必死にもがいて、目を開ける


するとそこには


何世紀後かの、君がいる

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る