帳下り 飛ばぬ蛍の 待ちぼうけ
季語は蛍、季節は夏。
テーマとなる虫はゲンジボタル。
ただし、地方にもよるがゲンジボタルは6月、初夏頃に短期間にまとまって発生する。ヘイケボタルは少し遅れて出現し、こちらは長期に渡って少しずつ発生、場所により秋まで見られることもある。
季語の蛍については、それらを区別せずに夏の虫としているのだろう。
6月も下旬に入ったある日、梅雨の晴れ間を待って、兵庫県南東部の某河川にゲンジボタルを見に行った。
今年2023年はホタル調査の仕事にはお声が掛からなかったので、個人的に見に行きたいと思ったのだ。
暗くなってゆく
しかし、あとが続かない。
ネット情報によると、ここでは二週間ほど前には複数のホタルがいたらしい。
ただ、仕事の現場とか、室内作業の締切とか、子供の世話とか、梅雨の雨、それに昼間は晴れていても急にやってくる夕立というか線状降水帯とか、そんな悪条件が重なり合ってなかなか現地に行けなかった。
そうやって、万障お繰り合わせの上ようやく個人的に動けるようになった時には、すでにゲンジボタルの発生期は終わりに近づいていた。
すっかり暗くなった河川敷公園をしばらくうろうろしていたが、発見できたのは最初の一匹だけで終わった。
待ちぼうけは筆者もそうだが、シーズン終わり近くに飛んだ蛍も、はたして相手を見つけることはできたのだろうか。
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