New Arrivalー10
映画のロケの場所の選定の為に、数人のスタッフと外に出ていた。
地下のトンネルの撮影場所の候補に数箇所行ってみた。
オフィスに戻って、スマホのチェックをした。
その中に、レイからの着信が3回あった。
まだ2週間前だぞ。
何かあったのか?
レイからのメールを見た。
「産まれそうだ。
今病院に着いた」
1時間半程前だ。
慌てて電話を入れる。
何度も立て続けに電話を入れるが、出ない。
しばらくして、レイからメールが来た。
リンクが貼られている。
リンク先から動画が流れてきた。
「レイちゃん、そんなところ撮らないで!
うーーーーーーーーーー!」
カーリーの怒鳴り声と唸り声が聞こえてくる。
布を被せられ大きく開かれた両足からのアングルだ。
「もう一回いきんで!」
うーーーーーーーーーーー!」
ショウがカーリーの手を握って、体を支えている。
「出てきた!」
「グロっ!」
レイの声が聞こえてくる。
女医と看護師が慌ただしく動き出す。
そして、へその緒を切り、
看護師が、New Arrivalをタオルで拭いている。
「ホエホエ……エエエー」
泣き出した。
タオルでくるんで、
カーリーの胸元に乗せる。
「元気な男の子よ」
泣きながら微笑むカーリーとNew Arrivalが映し出される。
ショウが涙を流しながら、カーリーのこめかみにキスをする。
レイが画面に入ってきて、
「Angel is coming!
Oh! Not! Monky」
そう言って、
New Arrivalの顔のどアップで動画は終わった。
部屋の片隅の壁に寄り掛かり座り込んで、泣きながら笑っている俺に気がついて、スタッフが集まってきた。
「生まれたのか?」
「おめでとう」
と祝福してくれた。
ーLueー
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