ケイトー3
産婦人科の女医さんに気に入られて、何の特典があるのかはわからないが、嫌われるよりはいいだろう。
「あなた、お姉ちゃんになるのね!
嬉しい?」
看護師さんが抱いてあやしてくれていたケイトに向かって、そう言った。
すると、ケイトは「うれちい」と答えた。
「父親の欄空白になってたけど、1人で育ててるの?」
「はい!
でも、いろんな人に協力してもらっているんで」
「生まれてくる子も?」
「はい!
でも、協力してくれる人はいるんで」
迷いはなかった。
お腹の子も、私だけの子にする覚悟はできていた。
彼には、辛い思いをさせてしまうだろう。
彼に、なんて伝えよう。
貧血の薬を貰い、次回の予約をして帰る。
近所の公園に寄ると、修平パパがいた。
ケイトは修平と遊び出した。
私は、修平パパの手を取って、私のお腹の上に置いた。
「何?」
「妊娠した」
「おめでとう!だよな?」
ルーのことも知っている修平パパに聞いてみた。
「この子は、私だけの子として育てたいのって言われたら、修平パパはショック?」
「どういうこと?
ルーとの子供だろう?
黙ってるってこと?」
「ちゃんと言うけど、籍とかそういうのはいらないの、私」
修平パパは、しばらく考えてから、
「父親とも名乗れないわけ?
それは、ショックっていうか、かなりへこむよ。
特に、あの人なら」
「でも、理由があるの」
例のママ軍団もいる中で、私はオイオイ泣いた。
ーKerlyー
◇◇◇
スピンオフあります。
『ピアスとタトゥーと本棚〜カーリーof Scream of No Name』
https://kakuyomu.jp/works/16818023212402223344
『パンクな姉と優等生な妹の噛み合わない夜』
https://kakuyomu.jp/works/16817330668195992904
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