森のピースー9
その夜、フィールドワークであった事を、泣きながら果穂ちゃんに話した。
少しスッキリした。
その日、果穂ちゃんは、久しぶりに同じベッドで添い寝してくれた。
和馬くんには、後日、「こちらこそごめんね」とショートメールを入れた。
あの頃森で一緒に遊んでいた2人が未だに森を愛し、そんな仕事に就いていることを聞いて、やっぱり、私は大学に行きたいと思った。
森の研究をしたい。
ボスは、その後しばらく、レイちゃんとスタジオの事で駆けずり回っていた。
ぐっさんや哲治さん、レイちゃんの兄弟から承諾をもらい、スタジオの件は少しずつ動き出すことになった。
その後1週間ほどボスは滞在し、ロンドンに戻る前日、哲治さんの店でみんなで飲んだ。
平日ということもあって、2階の個室を使わせてもらえた。
果穂ちゃん達も誘い、ケイトも連れてきた。
レイちゃんは、なぜか、会社の先輩の美由紀をボスに紹介したいらしい。
美由紀の子供達が、ケイトの面倒をよくみてくれる。
でも、美由紀は私をなにかと目の敵にするので、ちょっと苦手だ。
私は、最近また貧血を起こす事が多くなり、アルコールは控えていた。
食欲は出てきているのに。
レイちゃんのママが、私に言った。
「カーリー、最近よく食べる様になったわね。
良いことよ!」
「なんか、フランスから帰ってきたら、日本食が美味しくてー」
お米をめったに食べないわたしが、焼きおにぎりを頬張りながら、答えたら、
ボスとレイちゃんとショウくんが顔を見合わせた。
「おい!カーリー!
腹出せ!腹みせてみろ!」
私は、シャツをたくし上げた。
今まで気付かなかった。
お腹が少し膨らんでいる。
「えーーーー!」
果穂ちゃん始め女性陣から悲鳴があがった。
ーKerlyー
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