フランスへー13
日本からフランスに帰ってきて、15歳頃から、俺は、俳優やモデルの仕事などは少しやっていた。
17歳間近の時に、映画の主演の話がきた。
サイコパスの少年役、殺人のシーン、アクションシーン、ベッドシーン。
まだまだガキだった俺には、ストレスの溜まる毎日だった。
挙げ句の果てに、監督に無理やり関係を迫られ、まるで愛人関係のような日々。
恐怖と悔恨と自己嫌悪で、俺は壊れかけていた。
いや、もう壊れていたのかもしれない。
あの頃、毎日をどうやり過ごしていたのか、今も思い出せない。
その後、学校を辞め、
毎日パーティー三昧、
酒を飲み、
薬にも手を出した。
パパラッチを殴って起訴もされた。
18歳の時、半年間リハビリ施設に入れられた。
その後は、おばあちゃんの監督の元、少しずつ仕事を始めた。
その頃から、父は、俺のお目付役としてオスカーをつけるようになった。
20歳の時、ハリウッドからオファーが来て、フランスでも映画の主演の話が来るようになった。
ベッドシーンばかりだ。
毎日忙しいだけで、心の中は空虚な日々だった。
またお酒を飲み始めた。
たしかに、何度かやらかした。
世間からは、生意気で無愛想な悪童と言われ、
一緒にいるだけで、老若男女誰とでもゴシップにされる。
その度に、オスカーは父にそれを報告する。
父は、ゴシップ誌とオスカーの悪い話だけを信じる。
「パパの中では、俺は未だに悪童のままなんよ」
「そうかなー!
でも、パパは心配して会いに来てくれたじゃない?
男の子みたいなのが、息子に飛びついてキスしてるんだもの、そりゃ心配するよ」
カーリーが強く抱きしめてきた。
「お前がこんなに素晴らしいヤツだって、みんなに知らしめたい」
「嫌だなー!
すぐにボロが出ちゃうよ」
ーLueー
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