復活ライブー13
この曲は、指慣らし腕慣らしの曲で、あの子たちの現在のテクニックの限りが詰まってる練習曲だったんだよ。
最初、歌詞もタイトルもなかった。
「いい曲になったな!歌詞を書けよ!」
って言ったら、カーリーが書いてきたんだよ。
もっと、辛辣で暗くて恐ろしいやつ。
そしたら、レイもショウも引いちゃって。
3人で、少しソフトにしたんだよ。
タイトルも、Scream
バンド名も、No Name
だったんだよ。
レイの父親が、そう話していたのを、昨日の事のように思い出す。
ライブハウスが熱狂のまま、
「fuckin'」しか聞こえない2分足らずの
曲が終わった。
しばらくの間、歓声が止まない。
レイがドラムセットから降りてきて、
ショウとカーリーが、ギターとベースを下ろし、歓声に応える。
すると、ぐっさんが
「お前ら、そろそろ腹くくれよ!」
と言った。
なぜか、ショウが腹を見せた。
誰かが、面白がって、
「ケツまくれよ!」
と言った。
ショウは、ジーンズとパンツを下ろして尻を見せた。
レイとカーリーは顔を見合わせている。
「裸一貫で頑張るのは、ショウだけか?」
その声に、負けず嫌いのレイがTシャツを脱ぎ捨て、尻を見せた。
捨て身のカーリーが後に続き、尻を出した。
「やめて!お姉ちゃん」
と、果穂ちゃんの悲鳴が響く。
笑いと悲鳴の中、3人は、服を脱ぎ捨て、タトゥーだらけの背中を見せ、拳を振り上げた。
ぐっさんが、私に
「面白い物見れたね!」
と言った。
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