ルーー4

 私たちのライブにリドルを招待し、いつも打ち上げで使っているアミアのパブで一緒に飲んだ。

私は、目の前にいる大人でイケメンで誰からも好かれているリドルを、憧れの眼差しで見ているだけ。


でも、そんな日に限って、トイレの前でいつも嫌がらせをしてくる女の子達に出食わした。


「男の子は向こうでしょう!」


とか言いながら、小突き回された。

ギリギリなのに。

それに気付いたショウくんが助けてくれて、事なきを得た。


でも、そんな姿をリドルに見られてしまった。

一番見られたくなかったのに。


「酔いが覚めた。帰る!」


そんな私に、リドルはなぜかついてきてくれ、色々お喋りした。

そして、話足りないからと言って、リドルの部屋に誘われた。

彼は高嶺の華だし、そんなこと考えてもみなかった。


部屋に入ると、壁一面の写真の中に、私が彫って欲しいと言って見せたナラの木の写真とデッサンを見つけた。


こんな私にそこまでしてくれていることが嬉しくなって、私はリドルに抱きついて「ありがとう」と言った。

気がついたらキスしていた。

首から上と手以外はタトゥーだらけの彼に抱かれた。


これって恋なの?

初めてそう感じさせてくれたのは、リドルだ。


私はしばらく足繁く通った。

彼のほんの少しの時間を貰えるだけで、嬉しかった。



 そんな時に、ルーが私に会いに来た。

浮かれていた私は、ルーにとって嫌な奴だったらしい。

ルーから、よく第一印象は悪かったと言われる。


でも、ある日、タトゥーの待合室の窓から、公園でふたりがキスしているのを見てしまった。

私よりずっと前から、そういう関係だったらしい。

嫉妬した。

ルーに酷いことを言ったり、無視したりした。



ルーとは、そんな出会いだった。




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