0025 料理人家族

ノックして家の中にお邪魔・・・全員で4人いる。全部で男性2人・女性2人。

「すみません、この方達は?」

「ああ、一人が俺の嫁さんで、もう一人が俺の妹だ!男の方は俺の弟だ!」

「この食材はどこから仕入れてるの?」

「これか?露店の売れ残り、しなびて食べれなくなった野菜とかだな!」

「今、お仕事とかはされてます?」

「仕事?あったら、こんな生活してねーよ!」

「よかったら、ウチの仕事を手伝いませんか?料理人を探していて、もちろん住み込みで。」

「断る!」

「何でですか?」

「俺が出て行ったら、こいつらはどうなる?のたれ死んでしまうよ!」

「ですが・・・」

「ご主人様ぁ〜」ロースが俺の服を引っ張る。

「ここの人ぉ~、全員料理スキルが~ん、高いのぉ~。」

「ほ、本当か!」

「ご主人!」

「なんだ、まだいたのか!」

「よかったら、ウチの仕事を手伝いませんか?」

「だから、さっき断った・・・」

「4人全員で。」

「何?本当か?」


本腰で話をしてみる。

「僕の付き人は鑑定スキルを持っていて、その人がどんなスキル、どこまで伸びるかまでわかるんですよ。」

「でも、料理は俺しか作ってねーよ。」

「それは多分、ご主人の料理が美味しいからだと思うんです。」

「だから、だれも料理しなかったと。」

「しかし、それは本当なのかい?信じがたいけどな。」

「あら〜ん、私の鑑定スキルが信用出来ないわけ〜」ローズが鞭を取り出す。

「それじゃあ、こうしませんか?とりあえず、ご主人には料理を担当してもらう。奥さん達には料理の勉強をしてもらう。一ヶ月経って料理の腕が上がらなかったら、別の仕事をしてもらう。これでどうでしょう?その間も給料も出しますし、住み込みで大丈夫ですよ。」


ご主人は畏まって「そういうことなら、願ったりかなったりだ、よろしく頼むぜ、大将!」

「じゃぁ、今から行きましょうか。」

「今から行くって、荷物もあるんだぞ!」

「大丈夫ですよ!」と外に出ると、ジギルを含め30名の獣人族が待機していた。

「あ、あんた、もしかしてジギルさん?」

「ああ、今はオウカ様に仕えている。お前らは、幸運だと思え。いくぞ!」

獣人族は部屋にあった荷物を全て持ち出し、屋敷に戻って行くのであった。


「ようこそ~我が屋敷へ!」と迎えるのは玲子である。

他の妻たちは、とりあえずお風呂に案内をして、着用できる衣服の選別をする。

すっかりきれいになった4人に入居してもらう部屋を用意し、荷物をいれようとしたけど、屋敷にそぐわないから全部、捨ててくれとの事だったので、鍋と包丁だけ残し、他は捨てた。


まだ食事をしてなかったですねと、リリアを紹介して、この子が作った食事ですと料理を出した。


ー***-


「しかしなぁ~大将よぉ~。」

「不味かったですか?」

「いや、すごい美味い!でもよ、俺にこのレベルの料理が出来るとは思えないんだが・・・。」

「大丈夫ですよ!ローズの話ではご主人はリリアとほぼ変わらないレベルらしいので、後は慣れと、美味しい物を食べる経験ですね。」

「俺は料理の経験があるから、雑用ぐらいは出来るけどよ、他の3人がついていけるかどうかが心配だよ。」

「うちは他の露店みたいに厳しくないですよ。ゆっくりと覚えていけばいいんです。将来的にお客さんが座って、ゆっくりと食事が出来るお店を出そうと思っています。それまでは、この屋敷で覚えて行ってください。」

「そうか・・・そういうことなら、その言葉に甘えるとするか!」

「期待してますよ!」

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