第92話
斐谷が少し落ち着いたので質問することとした。
悪魔について先ずは聞いてみることとした。
「それで、悪魔の事について聞きたい」
「あ・・・悪魔の手下になった時に悪魔の情報を漏らすことを禁じられた」
「そうか・・・」
「お前達と神たちにって言われたんだが・・・」
「なんだ?聞きたいことあるなら言ってみろ、答えるかどうかは解らんが、聞くだけは聞いてやるぞ?」
「そうか・・・じゃあ神って」
「神か?知り合いと言えば知り合いだな」
「そうなのか?」
「おう、異世界で悪魔の計画の幾つかを俺たちが潰したらしいからな」
「異世界?」
「ああ、異世界で元勇者でした!!って言ったら信じるか?」
「はぁ?勇者?・・・あの?」
「あのだ、そちらに聖女と賢者が居るぞ元だけどな」
「え?」
天音、智、紗姫、清美を斐谷が見るが、誰がとは敢て言わないこととした。
天音たちも心得ているようでニッコリと微笑み斐谷を見詰めるだけであった。
「それで、お前は悪魔の手下になって何をされた?」
「飯井の魅了の耐性を得る為に寿命を奪われた・・・」
「
生ける死体とはこちらの世界では中世ヨーロッパのドイツで死者の権利能力を表す概念で魔物等を表す言葉ではないが、あちらの異世界では魔物の一種としてカテゴライズされる。
吸血鬼等の眷属を持つ魔物に使い捨て的に作られる眷属で、能力は生前と殆ど変わらないが強力な強制力が働き主に逆らえなくなる。
文字通り生きた死体なのだ。
「悪魔にもそう言われたが・・・それはいったいなんだ?」
「まぁ知ってもショック受けるだけだが知りたいか?」
「えっ・・・」
斐谷は躊躇い如何するか迷っている様であるが、さもありなんである。
迷うのは構わないが事実は変わらない。
あまりにも気の毒には感じるので少し待ってやることとした。
少しすると回復したのかどうかは知らないが落ち着いたようなので、話を続ける。
「簡単に言うと魔物の使い捨て的な眷属を
「それは生きてるのか?死んでるのか?」
「それな・・・解らん」
「そうか・・・」
「向こうの世界の学説的には死んでるらしいが、ゾンビとかの括りとはまた違うらしい」
「死んでる・・・」
「寿命を貰うと悪魔が言ったのならそうなのかもしれないが、まぁ今度神に会ったら詳しく聞いてみるわ~」
「よ、宜しく頼む・・・」
今までの斐谷とは違いこちらをニヤニヤ見ることも無く真剣にこちらの話を聞いている。
それだけ追い込まれているのであろう。
悪魔の下っ端眷属になったので遅い気はするが・・・
「言っておくが、何かよからぬ事を今度したらお前と話すことは二度と無いから覚えておけ」
「ああ・・・」
眷属かされていると言う事は魅了以上の効力を発揮するので魅了もそれ以上の強いものでない限り効果はない。
サキュバスの成り掛け程度の魅了なら下っ端眷属と言えど悪魔の眷属である、斐谷が飯井に魅了されることは先ず無いだろう。
あちらの世界の知恵ある魔物は狡猾で冷酷であった。
悪魔もそれ以下は無いと考えると、斐谷の未来は暗いと思う。
いや、既に
ヴァイスは死臭がすると言っていた。
学説通り既に死んでいて何か謎の力で動いているのかもしれない。
そんな事を考えていると紗姫から袖を摘ままれた。
「紗姫どうした?」
「斐谷君は悪魔の眷属なんだよね?」
「そうだな・・・」
「あの赤い糸みたいな線が伸びて行ってるのが眷属の証?」
「はぁ?それは・・・紗姫には何か見えてる?」
「うん・・・」
何でも斐谷の心臓から赤いラインの様な線が一直線にある方向に延びているらしい。
その先に悪魔が居るのか・・・はたまた違う何かなのか・・・紗姫にしか見えないので何とも言えないが、紗姫が悪魔に狙われているといった神の言葉を思い出した。
悪魔が紗姫を狙う理由・・・紗姫の隠された力を狙っている?
俺も狙われている・・・俺があの世界に行った経緯・・・いまかんがえる事ではないが、頭に色々な事が
今、斐谷に知られて悪魔に情報を握られるのは困る。
紗姫には今はこの事を黙っておくように伝え、意気消沈している斐谷へと話し掛ける。
「それで斐谷、先ず飯井の事だが如何して欲しいんだ?」
「助けて欲しい・・・」
「見返りは何だ?」
「お前も悪魔と同じく見返りを求めるのか?勇者だろ?」
「お前な・・・先ず悪魔と一緒にするな!!悪魔と違い俺はお前が何もしないのに貶めたりしないぞ?」
「ああ、すまん・・・」
「はぁ~それにだ、俺たちに一方的に敵意を向けていたのはお前と飯井だ」
「そうだな・・・」
「助ける謂れも無いし、勇者・・・元だが、勇者も目標達成時は報酬は出たぞ」
天音たちもウンウンと頷いている。
斐谷はまた固まって何か言いたそうにはしているが何も言い出せずに口をパクパクとさせている。
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