第34話
とうとう女性の水着売場と言う男子の修行の場へやって来た。
この場に居るだけで精神力をガリガリと削られ、女性の水着選びをどの様に付き合うかと言う適応力を試される修行場なのだ。
今の段階での回避は不能なのでタツよ諦めろ。
顔が茹でダコになっているが、そんなお前の姿を見ると俺は非常に落ち着くので今回それだけでもお前を連れてきた価値があるぞ。
正直な気持ちを言えば、去年の水着でよくないか?と思うが言って蜂の巣にされるのは明白なのでだまっておこう。
女性陣が水着選びへと向った間にタツに注意事項を伝えておこう。
「タツ、間違ってもどっちも似合うとかいうなよ」
「え?そう思っても?」
「そう思ってもだ」
「何故に?」
「女の子と言う生き物は「どっちも似合う」と言うのは「どっちでもいい」と捉える」
「マジか!!」
「マジもマジ大真面目な話だ!!」
「え~~どっちを選べばいいんだ?」
「そんなもの自分を信じて何方か選べ」
「俺、選べる自信ないぞ」
「それでも1つ選択してワンポイント褒めろ」
「わ・・・かった・・・とりあえずはお前を参考にさせて貰うぞ・・・」
「おぅ・・・俺の日頃の成果を見ていろ」
男には引けないこともあるし、同性に見栄を張りたいときもある。
ここで過去を振り返ってみよう。
去年の水着は下記のとおりである。(9話参照)
天音 〇 白のハイネックビキニ VS 黄色のモノキニ
智 〇 黒のワンショルダービキニ VS 黄緑色のブラジリアンビキニ
紗姫 〇 青いビキニ VS 花柄のパレオタイプ
清美 花柄のタンキニ VS 〇 黄色のクロスデザインビキニ
〇が選ばれた水着である。
これを踏まえておかないと大火傷では済まない。
同じ水着を持ってくる場合は特に注意である。
何故また選択したのか聞き取りが重要となってくるだろう。
最初に現れたのは天音であった。
去年、白が似合うと何度も言ったからか白い水着であるが、白いビキニに白いパレオの水着で、パレオに青い鳥が1羽描かれている。
見た感想として非常に青い鳥が品良く見え、白い水着が清楚感を際立たせる。
そのままの感想を述べ、そんな水着は天音に凄く似合いそうだと言うと、もう1枚の水着は見るまでも無い様に売り場へと戻しに行ってしまった。
「茂武師匠と呼ばせて頂きます!!」
タツが感心しきりにそう言うが、師匠呼びは誰かを思い出すのでやめて欲しい。
ジト目で見ていると「冗談だ、でもお前マジで凄えな~」と多分褒めたのだろうが、女性相手にはこれ位は必要スキルである。
次に来たのは智だった。
智が持って来たのは、迷彩柄のビキニと黄緑色のブラジリアンビキニあった。
去年の物と少しだけデザインが違うが、黄緑色のブラジリアンビキニを持って来たので智の中で気に入っているのかもしれない。
「去年もそれに似た水着持って来たな」
「そうだね~どう思う?」
「智は何を着ても似合うし、気に入ったのならそれが良いと思うが、露出し過ぎじゃないか?」
「プライベートビーチだし、茂武に見せたいんだよ」
顔を真っ赤にしてそう言う智は非常に愛らしい。
「その言葉非常に嬉しいのでその水着採用でお願いします」
俺は90度お辞儀で智にお願いした。
智は「仕方ないな~」と言いつつ満更ではないような素振りでもう一つの水着を売り場に戻しに行った。
「お前マジでハーレム王だな」
「ハーレム言うな!!」
どうやら次は清美が来たようだ。
彼女の持って来た水着は、上が黄色で下が黒を基調とした花柄の水着と、上が同じく黄色でフリルで下がブルーの迷彩模様のエスニック風水着だった。
黄色が似合うと言う事を以前言ったのでそれを覚えていたのかもしれないな。
後者の方が責めている感のあるデザインであるので何となく智の事が頭に過り聞いてみた。
「こっちって智に影響された?」
「う・・・うん、私も茂武に見て欲しいから・・・」
「清美さんこちらでお願いします!!」
勿論、後者をお願いしたら、「分った」とポツリと呟きそそくさともう一つの水着を返しに行った。
耳が真っ赤なので恥ずかしかったのだろうが、凄く可愛らしかった。
タツの方を見ると、無言で俺を拝んでいるが、俺を拝んでもご利益は無いよ。
賽銭は寄越すように!!
次に来たのは乙女だった。
乙女の水着は上がブルーで下が白のビキニでもう一つが競泳用の水着を持って来やがった。
「競泳用の水着で!!」
「え?これはネタだよ!!」
「競泳用で!!」
乙女はブルーで下が白のビキニを選択したようだ。
まさかここでネタを仕込んでくるとは、そういうのは智がしそうな感じするけど、智は意外と俺を喜ばそうと最近はこういう場面だと余りネタを仕込まず、真面目に選ぶんだよね~それが健気で可愛いと思う。
乙女には「似合ってるからそれでいいと思うが何故ネタを挟んだ?」と聞いたら、皆以外と真面目で面白味に欠けていると思ったと言って来た。
まぁ恋する乙女は真剣なのだよ、名前が乙女の乙女はネタ入れて来たけどな。
最後に紗姫が水着を持ってやってきた。
紗姫の水着の1枚は間違いなくエロ水着だよな?・・・
「誰の仕込み?」
「えっと・・・乙女さん・・・」
「もう1枚で決まりね!!そっちは売り場に返してきなさい」
紗姫の水着はオフショルダーの薄いピンクの花柄のビキニに決まった。
可愛らしい水着で紗姫に似合うと思ったので、後で「さっきの水着は凄く紗姫に似合うと思うぞ。凄く可愛いし」と言ったらボソリと「ありがと」呟き、真っ赤な顔で下を向きモジモジしていた。
乙女には少し反省してもらう為に、「紗姫に薦めた水着着て欲しいと」お願いしたらものすごい勢いでごめんなさいされた。
天音と智が爆笑して清美が呆れている。
それを見ている紗姫が真っ赤っかになっている。
タツと遠藤さんは「流石は茂武(忠野君)」と何を納得しているのか頷き合っている。
遠藤さんの水着は何時の間にか選び終わっていて、タツのニマニマが止まらないので「気持ち悪いぞ」と注意しておいた。
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