無機水銀は、炭素を含まない水銀で、水銀の化学形態の1つです。水銀は、大気や海、川、土壌などの中で循環しており、無機水銀のほかにも金属水銀やメチル水銀などの化学形態があります。
無機水銀の毒性や体内動態、症状、排泄経路などについて、次のようなことが知られています。
無機水銀は、急性曝露や慢性曝露のいずれの場合でも重篤な腎臓障害を引き起こします。
経口摂取した場合、主に消化管内や腎臓に障害を与えます。
無機水銀による症状としては、腹痛や吐き気、下痢、腎機能障害による気分不快感やだるさなどがみられます。
無機水銀は主に便と尿から排泄されます。
金属結合タンパク質であるメタロチオネインが解毒作用を持つことが知られています。
水銀による環境汚染や健康被害を防ぐため、2013年に熊本市・水俣市において水俣条約が採択されました。この条約では、水銀の供給・使用や放出を減らし、水銀の国際取引を制限することなどがうたわれています。

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