ニース

中学でも、ゆ~なっちといっしょだと思ってたら、うちは中学からニースで暮らすことになった。

パパは高校の美術の先生で、ニースの高校で教えることになったんだ。

それで、うちもニースに行く。


ゆ~なっちに言ったら、めっちゃさびしがってたけど、ニースの中学に行けるんだから、それはそれで良いのかも!って言ってくれた。


松山空港から、一回関空に行き、そこからパリ経由でニースへ行く。


松山空港に、ゆ~なっち、見送りに来てくれた!


ゆ~なっち、うちを優しく

ギュッ

と抱きしめて


「いってらっしゃい」

って言ってくれた。


うちも、ゆ~なっちのこと、優しく

ギュッ

と抱きしめて


「行ってきます」

って、ゆ~なっちに言う。


「別府温泉の修学旅行は、ゆ~なっちとの想い出いっぱいあるよ!ありがとう!温泉にもいっしょに入れたしね」


「うちもー!あやなっちと、また中学でもいろいろ想い出つくりたかったけど、ニースの中学に行けるなんて、なかなかないから、むこうでも、しっかりねっ!」


「うんっ!ありがとうー!」


「「バイバイ!またね!!」」

ハグして握手してハグして握手して、またハグして...それから、うちは飛行機に乗った。


ずっと、ゆ~なっちに手をふってた。



ニースに到着。


家は、わりと海に近い。

めっちゃ良いとこ。


妹のくうりも喜んでる。

くうりはニースで小4になる。


ママ、パパ、うち、くうりでニースのレストランに行ってみた。

地中海の新鮮な魚介類いっぱい。

くうりは、お子さま用のメニューにして、それを食べて、めっちゃ喜んでる。


高台にみんなで登ってみたら、ニースの海や街

パアーーッ

と見えてきて、きれいだ。


海沿いを歩くと、スケボーやってたり、ドラムを弾いてたり、絵を描いたりしてる。



部屋は、今までは、くうりといっしょの部屋だったけど、これからは別々の部屋になる。

うちの知らないあいだに、くうりは先に、ママに言って、ちっちゃな可愛い落ち着く部屋を確保してた。小4なのに。


うちは、まあまあ広くて、でもリビングとつながってるという、めっちゃオープンな部屋になってしまった。

うち中学生になるんだよーって思ったけど、ま、どっちもどっちだから、この部屋でいいか!って思った。


自分で部屋の配置を決める。机の位置や、本棚の位置など。


持ってきた本とかを並べる。

あとポスター貼ったり、フィギュア並べたり、うちの部屋らしく作った。



トントンッ

くうりの部屋に入ってみた。


うわっ!くうりも可愛い部屋にしてるなーっ!

くうりの部屋は、ここだけ独立してるから、めっちゃ落ち着くんだよねー!


くうりのいない時に使っちゃお!って思ってたら


「あやなっち!なに、考えてるの?あやしい...」

って言われた。


「べつに、くうりの部屋をいない時に使うとかじゃないからね」

って余計なこと言ってしまった。


くうり、ジーッと、うちのこと見てる...




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