第7話:薬草採取

ラムジーの店から転移してキャラバンまで戻ってきた


さぁ、メシだメシ


ゴソゴソとバックからクレアおばさんにもらったパンを探す



「なにすんのよ!レイト!

私まだあいつにムゴッ!?」



大変ご機嫌斜めなフレデリカ様に間髪入れず口の中にパンを押し込んであげた



「まぁまぁ。お前も腹空いてるからそんなに怒ってるんだよ。少し冷静になろうぜ」


「モゴゴー!」



モゴモゴと何か言ってるけど頬を膨らませてハムスターみたいで少し可愛い



「ほら、どうどう」


「!?」



何となく頭を撫でてやったたら急に大人しくなった

うーん、楽しいな



「零人…

君は最近シュバルツァーに対して扱いが少々雑になっていないか?」


「そう?ほら、ルカも食べなよ。

お腹空いてるんだろ?」


「っ!?なっ…」



ルカにもパンをあげようと近づけると、若干ためらいをみせた後、シュポンと食べた



「美味しいなクレアおばさんのパン」


「…ああ。だが、君は少しずるい気がする」


「は?なにがずるいって?」


「なんでもない」



そう言うとルカはパンの入った袋へ潜り込んだ

別にルカの分のパンを独占とかしてないんだけどな

何が気に入らなかったんだろ?


モグモグとキャラバンの中でパンを食べていると、コンコンとバックドアを叩く音がした



「はーい?」


「あの!ラムジーです!

レイトさん、さっきはルイス君がゴメンなさい!」


「いいってそんなの。

俺もちょっと煽っちゃったし。

あ、ラムジーも来て来て。

一緒にご飯食べようぜ」


「え?あ、はい!その、お邪魔します…」



ラムジーもキャラバンに招いてクレアおばさんのパンを皆で堪能した



☆☆☆



「どう?少しは落ち着いたフレイ?」


「…不本意ながらね。

次、あんな真似したらぶっ飛ばすわよ」


「分かった分かった」



若干まだ不機嫌なフレイを宥めつつラムジーの方へ体を向けた

すると彼女はボーっと俺を見ていた


なんだ?



「俺の顔に何か付いてる?」


「あ!

いえその…珍しい髪の色だなーと思いまして」



ああ、そっかこの世界では黒髪の人は居ないんだったな

みんな綺麗な金髪や茶髪で羨ましい



「俺は日本人だからな。

やっぱり変に目立つよなコレ」


「いえいえ!

その、黒髪も素敵だと思います!」


「そう?ありがとな」



褒められるのは悪い気はしない

もっとも、髪染めてた時期もあったけどね

痛むからすぐやめたけど



「それでその…

『ニホン』とはどこの国なんですか?

初めて聞きました」


「ああ、それはな…」



2ヶ月前に、俺がここの世界へ迷い込んでしまったことを説明した



「異世界転移…

そんなおとぎ話みたいなことがあるんですね…」


「でしょ?

私も信じられなかったけど、さっきのあの『転移テレポート能力』見たでしょ?

あんなの目の当たりにしたら納得しちゃうわよね」


「うん!

蒼い光がブン!って現れたり消えたりしてカッコよかった!」



ラムジーはルカの方へキラキラと熱視線を送っている

するとルカは俺の上着のポケットにスポンと隠れた



「なんだルカ?照れてんのか?」


「そうではない…

ただああいう視線が苦手なだけだ」


「照れてんじゃん」



まったくおしゃべりなくせに変なところでシャイなんだから



「そういえばラムジー。

ヘルサ草の採取中に襲われてたみたいだけど、採取しないといけない分は終わったの?」



フレイが訊くとラムジーは少し暗くなった



「ううん。

だからこれからもう1回行ってくるね。

レイトさん、ルカさん、本当は村の案内をできれば良かったんですけど…ゴメンなさい」



そう言うとラムジーは頭を下げた

おいおい…



「何言ってんだよ。

俺らも手伝うに決まってるだろ?

な、フレイ?」


「ええ、そうね。

というかあのクソトサカ男も連れてくわよ。

元はと言えば、あいつがラムジーにお店の業務を押し付けてたのがそもそもの原因なんだから!」


「それでは、早速出発しようか。

まずあの男の所へ行き、その後はトードのいた所へ『転移テレポート』すればいいのだな?」



あ、そうか

ルカがいるから行きも帰りも楽だな



「そ、そんな…!いいんですか?」



ラムジーが申し訳なさそうに確認してきた

俺たちが頷くと彼女は本当に嬉しそうな笑顔を見せてくれた



☆☆☆



その後、ラムジーの店に居るルイス君を迎えに行くわけだったが、そのまま行っては逃げられてしまう恐れがあったので、転移テレポートでルイス君の前に現れ、問答無用で外に連れてく算段を立てた


結果、作戦は成功したのだが、転移時にルイス君が驚いたところを、フレイが間髪入れず再びぶん殴ってしまったので、現在は痛い痛いと悶絶している


……なんで殴ったお前



「うぐぐ…!お前はなんでいつも俺と会うと、とりあえず挨拶みたいに殴りかかってくるんだ!?」


「仕方ないじゃない。

あんたの顔見ると無性に殴りたくなってくるのよ」


「そ、そうか…ふへへ…」



なぜルイス君はちょっと嬉しそうなのだろう



「フーちゃんに何回も言ってるんですけど、全然聞いてくれないんです…」


「あー…こいつとは俺も何回か衝突したことあるから気持ちはわかるよ…」


「マミヤレイト!

てめぇ、フレデリカに何しやがったんだ!?」



ルイス君が俺に絡もうとしたがフレイにまたぶっ飛ばされた



「いい加減にしなさい!

あんたの尻拭いを全員でしてやるだけ感謝なさい!」



こうして騒いでいるとルカがため息をついた



「やれやれ…

ガルド村を出て早々いきなり賑やかなパーティーになってしまったな」


「ほんとにな。

まあ薬草採取くらいパパっと終わらせて、エステリ村に戻ろうぜ」



RPGでは基本中の基本、クエストで薬草採取は定番だ

それくらいなら充分手伝えるはずだ



「それでラムジー。

ヘルサ草ってどこら辺に生えてるの?」



俺が軽い気持ちで訊くと、なぜかラムジーは少し目を伏せた



「え、えっとですね、実はこの辺りでは、ここより道を外れた小さな洞窟の中に群生してるんです」


「そういえばこの道でヘルサ草って見かけたことなかったわね。

そんな所まで1人で行かせようとしてたなんてあんたは何考えてんの!」



スパン!とルイス君の頭をフレイが叩いた



「いっで!

だ、だから悪かったって言ってんじゃねぇか!

俺もあんな洞窟にしかないなんて知らなかったんだよ」


「あんた何年ラムジーの店の手伝いをしてんのよ!

それくらい把握しなさい!」



ボゴッ!


ダメだな、フレイがルイス君に話しかける度にぶん殴ってる

口撃と攻撃が一体化しちまってるよ

このままだと洞窟にたどり着く前にルイス君は棺桶の中だ



「なあフレイ、お前ラムジーの横歩いとけ。

俺がルイス君の相手するから」


「はあ!?

なんでてめぇなんぞに相手されなきゃならねんだ!」


「まぁまぁ。

ほら、美味しいお菓子あげるから。

仲直りしようぜ」



そう言いリュックの中から前の世界から持ってきていた、とっておきの1口サイズのチョコをルイス君に見せる



「ああ!?菓子なんぞで俺が…はむっ!?」



ゴチャゴチャ言う前に、チョコをルイス君の口に転移テレポートさせる



「(モグモグ)…旨いなこれ。

甘くて香ばしくて、初めて食べる味だ!」


「だろ?

俺もそのシリーズは好きでよく買うんだ」


「お前、何モンなんだ?

その見慣れないカバンといいさっきの菓子といい…」



その様子をみていたルカがジーッと俺の目を見ているような気がした



「ん?どした?」


「いや、その…」



珍しくルカがどもった

あ、もしかして…



「ほら、ルカ」



先程のチョコを手に乗せてルカに近づける

食いしん坊のルカだ、お菓子が気になったのかもしれない



「べ、別に私は…そんな」


「食べないなら俺食べちゃおー」



チョコをあーんと口に近づけたらシュポンと消えた

やっぱりな



「むう…今日は零人に手玉に取られているようで中々に癪ではあるが、これはたしかに美味だな」


「だろ〜」



そこで後ろからルカと同じ視線が2つあることに気づいた



「「(ジー…)」」



とっておきだったけど無くなるなこりゃ



☆☆☆



皆で俺の世界のお菓子でわいわいとしつつ、洞窟へ到着した

当たり前だが洞窟の中は暗い



「『点火イグニ』。ほら、レイトできたわよ」


「サンキュー、フレイ」



フレイから松明を受け取った

暗いエリアでは必需品だ



「本当にお前魔力マナが身体にないんだな…

そんなんでよく冒険できるな」



ルイス君が驚愕の目で見てきた

先程のチョコのおかげで、少しだけ彼と仲直りすることができたようだ



「まぁ、まだ旅は始まったばかりだから何かしらの不自由は出てくると思うけどな。

生活魔法が使えないのはたしかに辛いかも」



その時ラムジーの目がキラッと光ったような気がした



「あの、レイトさん。

生活魔法が使えないということは、お身体は自分で拭いているんですか?」


「いや、フレイに『洗浄ウォッシュ』をかけてもらってるよ。

ちょっとくすぐったいんだけどな」



困り顔で言うと、ラムジーはずいっとこちらへ身を乗り出した



「あのあのっ!

今回の採取が終わったら私がレイトさんのお身体を『洗浄ウォッシュ』しても良いですか!?

お礼も兼ねてというか…」



俺の身体を?

なんでだ?



「いやいいよ悪いし…

それに濡らしたあと、『乾燥トロクネ』の魔法かけるのも大変だろ?」


「いえ!

むしろそっちが目的というか…あっ!」



ラムジーは慌てて口をつぐんだ

まさかなんか企んでる?



「良いじゃないレイト。

たまには私にも楽させてよ」



俺のお世話係からそう言われると何も言えない…

いつも迷惑かけてます…



「分かったよ。

それじゃあ帰ったら頼むよラムジー」


「…っ!はいっ!」



☆☆☆



洞窟に潜って30分程経っただろうか

今だにヘルサ草とやらは見つからない



「おい、ラムジー。

薬草は洞窟ん中にあるんじゃなかったのかよ?

全然見つからねぇじゃねえか」



うんざりとした様子のルイス君が愚痴った



「あ、あるよ!

前に王都から来た冒険者さんがここを教えてくれたし…」



おお!やはり冒険者っているんだな!

ギルドとかもあるんだろうなー

理の国ゼクス』に行く楽しみが少し増えた


そんな能天気なことを考えていると、目の前をふわふわ進んでいるルカがストップした



「4人とも。

前方100メートル先に生体エネルギー反応を検知した。

こいつは…中々強い魔物のようだぞ」


「本当かルカ!よし、ここから慎重に行くべ」


「えねるぎー?何言ってんだあの小石?」


「ルカの言う『エネルギー』は魔力マナの事を言ってるのよ。

あんたは何も感じないの?

私でもここからヤバいのがいるのを感じるわ」


「ふえぇぇ…」



ルカの警告によって全員気を引き締めたようだ


松明を消して、できるだけ音をたてずに近づく

すると前に薄らと大きい影が見え始めた



「零人」


「ん、なんだ?」


「良いニュースと悪いニュース、どちらから聞きたい?」



…まさかそのセリフを実際に言われるとは思わなかった

軽く感動しつつ答える



「じゃあ良いニュースで」


「今回の目標のヘルサ草を発見した」


「マジか!じゃあ悪い方は?」


「その薬草の近くにいるのは『地竜グランド・ドラゴン』だ」


「………」


ガシッ


「待ちなさい、レイト。

どこに行くつもりよ?」


「お、俺は帰る!ドラゴンは嫌だ!」


「おいレイト!静かにしやがれ!

気づかれるだろが!」


「ル、ルイス君もだよっ!

大きな声出さないでっ」



わーわーと騒いでいると目の前のドラゴントラウマは首をこちらに向けた



「グオオオオォォォォ!!!!!」



気付かれた!?

最悪だぁ!!!



「おい、お前ら!引くぞ!

ドラゴンが居たんじゃ諦めるしかない!」


「何言ってるのレイト!?

迎え撃つに決まってるでしょ!」


「レイト!

てめぇたかがトカゲにビビってんじゃねぇぞ!」


「この付近を明るくします!『点灯アルム』!」



俺以外は戦う気満々のようだ

フレイはいつもの弓矢を、ルイス君は大槌を、ラムジーは魔道杖を構えた


こ、コイツら…!



「零人、どうやら覚悟を決めるしかないようだぞ」


「ぬがァァァ!

なんでこんな狭い所にドラゴンなんていやがるんだ!」


「レイト!コイツ、『地竜グランド・ドラゴン』はね、翼を持たない代わりに四肢と尻尾が発達してるわ!

一撃でも貰ったら致命傷よ!」



頭を抱えてる俺にフレイが簡略的に説明してくれた

でもドラゴンの事なんて覚えたくない!!



「おらァ!!くらいやがれ!」



ルイス君が得物を大きく振りかぶり、頭に向けて振り下ろした



「ゴアアアア!!!」



しかしドラゴンの方が動きが速く、大槌の攻撃を前脚で弾いた



「(ガキンッ)なにっ!?」


「何やってんのよルイス!『雷光射ライトニングショット』!」



フレイが前に俺を助けてくれたあの雷の技を撃った

だが、その攻撃もドラゴンは察知し、ギュルリと巨体に見合わないスピードで回避した!



「くっ!

デカいくせに中々すばしっこいわね…!」


「フーちゃん!私に任せて!

はあああああ!!」



ラムジーが魔法を撃つための魔力マナを練り上げてるようだ

ラムジーの魔道杖に彼女の魔力が集中し、杖の先が赤く光りだす



「いきます!『火球ファイア・ボール』!」



杖の先から赤く燃え上がるボールが放たれ、ドラゴンに命中する直前に弾けた!



「グオオ!?」



弾けた瞬間、ドラゴンに火の衝撃波が襲い、2、3メートル位ある巨体を後ろへはじき飛ばした


すげえ!



「そ、そんな…!」



しかしドラゴンは体勢を整えたあと、首をブルブルと振った

…大してダメージが通ってないようだ



「さて、零人。

こちらも負けてはいられないな。

合体するぞ」


「うう…やるしかないのか…

つかその『合体』って言い方やめろよ!」



ツッコミつつ、ルカを受け入れるように心を決める



「「『同調シンクロ』!」」



トポン…


ルカが俺の身体に入ってくる

そして俺たちは溶け合い、ひとつになった


ボン!と洞窟内に爆発音が響き、周りに蒼のエネルギーが迸る



「レイト!?お前その姿…」


「レイトさん!あ、蒼くなっちゃった!?」


「…ふん」



この姿を初めて見た者、既に知っている者、様々な反応があった



「グウウ…ゴアアアアアアアア!!!」



や、やっぱりドラゴンの咆哮おっかねぇ!



「零人。私の声は聴こえるな?

敵性ドラゴン、『地竜グランド・ドラゴン』を撃破する」


「ああ!

それで、今回はどこに脆弱性があるんだ?」


「前回の『黒竜ブラック・ドラゴン』戦と同じだ。

サイズはこちらの方が小さいのでいくらかは狙いやすいだろう。だが…」



ドラゴンは俺にめがけて、尻尾を叩きつけようと身体を捻った


ドゴンッ!


すかさず転移を発動し、攻撃を横へ避ける



「シュバルツァーの攻撃を避けたあたり、スピードは地竜グランド・ドラゴンの方が上のようだ。

ここからは高速戦だ。

先に奴の体力が尽きるか、私のエネルギースタミナが尽きるか。

できるだけ手早く仕留めろ、零人」


「…ったく、簡単に言ってくれるなぁ!

ルカ!」



そして地竜グランド・ドラゴンと激突した



☆ラムジー・カルメスsides☆



レイトさんの身体と髪がいきなり蒼くなってしまった…


そ、そんなぁ…


軽くショックを受けていると、気がついた時には既に彼は消え、蒼い残滓しか残っていなかった


あれ!?どこ!?


私が姿を探し出そうとした直後、ブン!と独特な音が響き渡る

その方向は地竜グランド・ドラゴンの方から聞こえてきた


ガキン!


レイトさんは剣を地竜グランド・ドラゴンの頭に叩きつけていた


けど、地竜グランド・ドラゴンはあまり痛くなさそう…

剣1本では、やっぱりドラゴンには…


絶望した瞬間、またもやブン!と音が鳴り、レイトさんが消えた!


その刹那、ドラゴンは何かを察知したのか身を捩った

大きな前脚を、何も無い所へうち下ろすと、そこへレイトさんが現れていた!


ガキン!と、再び金属と鱗の火花が飛び散る


そこから先は壮絶だった


レイトさんは何回も消えて現れて攻撃して、地竜グランド・ドラゴンもそれに対応するかのように身を捩り、回転し、跳び、その全てに防御をしていた


ブン!ブン!ブン!と、あの音が洞窟内に何度もこだまし、そのあまりにも高速過ぎる動きに私の眼ではもはやこの闘いを捉えることはできなかった…



「なに…この闘い…?」



思わずボソッと呟くとフーちゃんが横にやってきた



「これがレイトとルカの力、『同調シンクロ』よ。

紅の魔王と同じ力の、ね」



とんでもない単語が聞こえてしまった


ま、魔王!?

レイトさんは魔王と同じ!?



「勘違いしないでね。

悪いのは魔王で、紅の宝石はそれに囚われているの。

私たちはその子を救うために旅を始めたのよ」


「ええっ!?」



フーちゃんがそんなすごい旅に参加していたなんて…

いつの間にかフーちゃんが遠い所へ行っちゃうような…

そんな事を考えたら急に不安になり、フーちゃんの腕を掴んでいた



「ラムジー?大丈夫よ、レイトは負けないわ」


「う、うん…」



私が心配したのはフーちゃんの事なんだけど…



「零人、そろそろ活動限界だ」


「ああ!これで決めてやる!」



レイトさんの身体からルカさんの声が聞こえてきた


するとレイトさんはまた消えてドラゴンの方…ではなく、ルイス君の所へ現れた



「な、なんだよレイト!」


「わりぃ、お前の武器ちょっと借りるぞ」



レイトさんはルイス君の大槌をドラゴンへ投げた瞬間、大槌とレイトさんの姿が同時に消えた


地竜グランド・ドラゴンは動きに迷いをみせ、僅かにスキをみせた


ブン!


上から大槌が現れてドラゴンの頭上へ真っ逆さまに落ちた

その大槌に気を取られ、ドラゴンが上を見上げた瞬間、ブン!と、レイトさんが首元に現れた!



「おおおお!!!」



レイトさんは剣をドラゴンの喉元に勢いよく刺し込んだ!

えっ…攻撃が効いたの!?



「グガウウ!?ガアアアアア!」



ま、まさかレイトさんは今『ドラゴンの逆鱗』を狙った!?

さっきまであんなに斬りかかってもビクともしなかったのに、いまは悶え苦しんでいる…


『ドラゴンの逆鱗』はそれが存在するかも分からない、ドラゴン族たった一つの弱点と言われているのに



「ギャウウウ…ガウウ…」



やがてドラゴンは力無く声を上げ、そして儚く崩れ去った…

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