閑話 残り火
『どうして僕ら人族と多種族は争っているの? 同じ人間なのに。なんで仲良く出来ないの父さん』
それは物を知らぬ無知な子供だったからこその質問だった。
そして父親にこっ
「下等種族共が何を言っている! 貴様らに助けられるくらいなら死んだ方がマシだ!!」
だけど、そんな大人に
起源統一教団の支部があるこの国へ立ち入るということの危険度は彼らとて理解しているはずだ、現に今も助けた者達から
それでも彼らは折れず曲がらない一本の刀のように強い意志を持って闘っていた。
「だったらこの場を切り抜けた後で勝手に死んでください! 貴方達がなんと言おうと僕達には関係ない!! 僕達は自分自身の心に従ってここにいるんだから!!!」
どうして闘えるんだ――
そうして
その後彼らは俺達を死の危険からあっさりと救った上で礼の一つさえも求めずにその場を去ってしまった。
そうして激動の夜が明けた後、俺は本来は護衛対象である王族相手に手を上げる決意をした。
「
そこのお前! アイディール神国へ連絡して奴らを指名手配するのだ!! 早くしろ!!!」
「――貴様には恥という物はないのかッ!! 俺がその
目の前で彼らを口々に
「な、何を!? あんな下等種族共の味方をするなど気でも狂ったか、貴様!!?」
「
「なんだと!? 放せ、放すのだこの化け物!! 早く助けるのだ、衛兵共!!!」
慌てて目の前の
炎属性の魔力で強化した身体能力で全員を鞘に入れたままの剣で殴り倒し、怯える王族を睨み付けるとそのまま王族の全身の骨を殴り
そしてただでさえ脂肪だらけで汚い体が
「や、やっちまったァッ!?! どうしよこれ!?」
そう言って頭を抱える男はこれもいい機会だったと開き直って起源統一教団の教祖も含めて
少しずつ国を変えていった男はハーフエルフであるアリスを起源神ワールドの生まれ変わりである聖女として
やがて神聖プライド王国と名を改めたこの国の王に男はなり、世界存亡の危機である事変が起きた際。
現場にデュラン達の味方として駆けつけ、アリスからお礼を言われたことで死にかけることになるのだが。それはまだ未来の話である。
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