合宿所でのお話

 バドミントン部に所属していた高校生C君の話。

 大会前に集中して練習しようということで校内の合宿所を使って一泊二日の練習合宿が行われました。この合宿所がボロボロで、色々な噂話がありました。


 まず首吊りの出たという噂のある部屋(そんな事実は無い、と先生方は言うが)に行くと、そこだけ寒い寒い。真夏とは思えぬ寒さに誰も泊まれず。

 ためしに皆でケータイで写真をいろいろ撮ると、そのうちの一枚で見事に一年の後輩の首が写ってない。なお、この写真を撮ってしまったケータイは三日後に紛失してしまったそうです。

 晩飯に食堂に行くと、人数以上の食事が出てくる。部活で腹を減らした高校生男子たちは「幽霊にやる飯はない」と、その余計な分も食べてしまいました。

 狭い風呂場では勝手に桶が転がってましたが無視。

 夜中に寝室の押入が内側からドンドンと叩かれたのですが、押入の前で寝ていたC君のせいにされました。腹いせに押入を蹴っ飛ばしたら音は鳴らなくなったそうです。


 まさに無敵の高校生男子、という感じでしたが、後日あらためてこの時のことを話してみると、みんな怖いなんてカッコ悪くて言えないので痩せ我慢していただけだったそうです。


 ちなみに一番怖かったのは、無駄に厳しくて嫌みったらしいクソ顧問が、朝プリキュアを見ていたことだった、とC君は回想していました。

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