崔浩先生の「十八史略で拾う春秋戦国」講座
ヘツポツ斎
緒言・概括
第1話 緒言
ごきげんよう。
作者は
『
「なんじゃこれ」である。わからん。
読者諸氏におかれては、いかがであろうか。
似たようなものではなかろうか。
そこで今回、過去に作者が
途中まで訳した『十八史略』を再編、
今後『
『
実際の史料に当たる……よりも更に前、
「様々な春秋戦国の本を読むのに
もっとも雑な大枠の線」
を引ける補助をできるよう、
新たにパッケージングした。
……というのは名目で、
時々定期的にまとめ直して、
内容の定着を狙う、が本分である。
本作作者に共益の概念はない。
クソであるな。
というわけで、どこまでも
作者のための作品であるが、
万が一読者諸氏の春秋戦国把握の
一助を担えたならば、これもまた
望外の幸いである。
◯復習 十八史略とは
中国史著述のスタンダード、正史。
そのうち『史記』から宋の歴史に至る
十八種の史書をまとめた概略の書。
故に十八史「略」である。
なお、宋については編纂当時
いまだ正史が編まれておらなんだため、
別口の史料が用いられておる。
その基本思想をストレートに申し上げれば、
尊皇攘夷思想の煮凝りである。
編纂者は
いわゆる抗金(
と言うことで、その思想は「夷狄◯ね」
となり、十八史略も思い切り
この思想の影響下である。
この本は初学者向けにまとめられており、
つまり、学習者の史的思考の、
割と根本から攘夷思想に誘いこまんとする、
正直、ちょっとした悪魔の書である。
(まあ国是に忠実なだけなのだが)
だがこの悪魔の書、端的である。
わかりやすいのである。
便利なのである。
本土中国はともあれ、日本において
「中国史理解≒十八史略」
となれただけのわかりやすさがある。
上手く悪魔的な面に自覚的となりながら、
このわかりやすくまとめられた本の内容を
整理してまいりたい。
無論異文化人とは
容易にわかり合えるはずもない。
恐怖および警戒は、
持たずにおれぬものとして受け入れ、
それでもなお「同じ人間じゃん」と
異文化人への認識を
日々洗練できると良いな。
失礼、余談であった。
◯本論に入る前の、さらに雑なまとめ
さて、春秋戦国。
-770〜-220 の、約 550 年間である。
長過ぎる。なのであらかじめ、
ここをきわめて雑に見ておこう。
秦の天下となる。これに 550 年。
その経緯を雑にまとめるのには、
キングダムで名の広まった
ザクッと拾ってしまえば良い。
「ぜんぶ秦に滅ぼされました」は略す。
・周
春秋の時代には、それでも一応天下の主。戦国時代に完全に空気となるが、始皇帝の時代直前くらいまではなんとか存続している。
・
周を立てた
・
周を立てた武王の参謀、
・
キングダムだと目立つ三国であるが、ワンセットでよい。というのも周の諸侯であった
なお春秋から戦国の境目には諸説あるが、一番わかり易いのは晋が三国に乗っ取られたタイミングである。ほぼ同タイミングで斉も田氏に乗っ取られている。
・
なんか南方にずっといる。「うちは別にはじめっから周の家臣じゃないですし」と、早い段階から王を名乗っている。周はこの楚にマウントを取るため「子爵」位を送っている。が、無論シカトである。
・
始皇帝がズドンと天下統一しました、位の感覚になりがちであるが、楚と同じくずっと西にいる。ただしこちらは周の立ち上げに功績のあったガイジンが封じられた国であるため、王名乗りを始めるのは戦国時代に入ってからである。春秋末期頃からメキメキと力を高め、始皇帝の時代にはもう一位とそれ以外、の勢いであった。
・その他
あとはまぁ、あまり頑張って覚える必要もあるまい。呉越同舟で有名な
こうした内容を踏まえ、まずは春秋戦国のおおまかな流れを一日のタイムスパンに変換して落とし込んだ「1day 春秋戦国」を次話にてお送り致そう。
訳文抽出元『訳だけ! 十八史略』
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