第13話 傷な物


 「皆なかよしー!」

 「仲が良いのが一番~」

 「和気あいあいで仲良くしている時は幸せ~」


 幼い時は善の心を持った者が大半だ。しかし、成長の経過中、悪こそがカッコいい…そんな時を経験した人は多いのでは無いのだろうか。


 「悪さやって傷が増えれば増える程それが勲章なんだぜー」

 「おい!大人しくしてろって!」

 「じっとなんかしていられるかよ!」


 落ち着いてもいられず暴れまわり傷痕が広がる。しかし、『勲章』がどんどんと増えるが特に気にもせずに暴れまわる。


 次第に成長し、立派な大人になった時だった。


 「今日が初めて客の前に出る時か~俺が一足先に外に出るぜ!」


 傷痕の者は客の通りを見る。しかし、どの客も傷痕の前に立ち止まる事も無い。


 「このきゅうりキズが凄いんだよ」

 「もう売れないから廃棄してしまおう」


 キズのきゅうりは売れる事も無くシナシナに干からび廃棄される事となった。

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